誰もが違和感のない操作性で、バーチャル体験をもっとリアルに!
バーチャル空間の課題とは?
バーチャル空間には「リアルさを感じられない」という課題があります。多くは視覚や聴覚など、人間が持っている一部の感覚にしか刺激を与えられていないからです。もし物を触ったときに得られるさまざまな感覚や、自分の体の動きとアバターの動きが違和感なく連動するような体験があれば、リアルさを感じやすくなるでしょう。
リアルさを追究するXR
バーチャル空間でのリアルさを追究する分野は「XR(クロスリアリティ)」と呼ばれています。「なんでもリアリティ」のようなもので、触覚や動作など、どんな手法でリアルな体験を実現しても構いません。VRやARもXRの一種です。
例えば、自転車に乗って操作するバイクレースゲームがあります。自転車には加速度センサーが取り付けられており、自転車の動きを計測します。するとリアルな世界での体の動きや体勢をゲーム内のバイクの動きと連動できるため、本当にバイクに乗っているような感覚を味わえます。一般的なゲームコントローラーで操作するときよりも自然な感覚で遊べるようになった結果、プレイヤーがよりゲームに没頭する傾向が見られました。
現実世界の壁を取り払う
バーチャル空間では、誰もがアバターで好きな姿になって過ごせます。リアルな世界で体が不自由な人でも適切なインタフェースがあれば、バーチャルな世界で自由に動いたりコミュニケーションを取ったりできるでしょう。現実世界で感じている壁を取り払うには、さまざまな生体情報を取得するセンサーやデバイスが必要です。例えば、足が不自由な人が、リアルな体と同じ動きを取得するだけでは、バーチャル空間内で走ることは難しいでしょう。その場合、足の特定の筋肉の動きを利用する、あるいは手を振る動作でアバターを走らせる、などの別の手段が必要です。リアルな世界の動きとバーチャルな世界の動きは、常に同じである必要はないのです。誰もが違和感なく操作できて、バーチャルな世界での自然な体験ができるインタフェースの開発が進められています。
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先生情報 / 大学情報
湘南工科大学 情報学部 情報学科 情報メディア専攻 教授 堀越 力 先生
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