このSNSの投稿者はどんな人?
SNSの投稿は情報の宝庫
SNSの投稿から、情報を抽出して分析する研究が盛んに行われています。そこからは、夕方には経済や政治に関する投稿が多い、使われている言葉と地域に関連性があるといった分析結果が発表されています。このような分析結果を活用して、投稿内容から投稿者の年齢や性別、居住地域、職業などの属性を推定する研究も進められています。
投稿から属性を推定する
推定のベースとして、投稿内容には現れない、暗黙の生活習慣を用います。例えば、学生であれば授業時間中は投稿せず、朝夕の通学時間の投稿が多くなります。社会人で通勤している人も同様です。これを使って、投稿の多い時間帯から学生か社会人であるかを推定して、さらにほかの情報からも属性を絞り込んでいきます。地域については、地名などに加えて、同じものでも地域によって呼び方が異なることなどを活用します。例えば、「マクドナルド」を東日本では「マック」、西日本では「マクド」と呼ぶ傾向がみられるといったことです。実際には、単語レベルに限らない、より複雑な関係を使います。
このような属性推定の技術は、マーケティングや災害対策などの分野での活用が期待されています。商品の広告を、ターゲットとなる属性の人が多くアクセスする時間帯に配信することで、効果を高められるでしょう。また、災害時にはSNSの投稿から被災地の情報を素早く把握することで、適切な支援に役立てられるはずです。
音声から感情を読み取る
テキストではなく、音声から情報を抽出する場合は音声認識が必要です。リアルタイムで認識して文字に起こすツールも提供されていますが、精度と速度が十分とはいえません。そこで、新たな研究が行われ、無音部分を話題の区切りとみなすことで、精度と速度の向上に成功しました。
音声データであれば、声の抑揚やトーンから感情も読み取ることができます。感情認識が実現すると、ロボットが人間の声を聞いて感情を理解して、より適切に反応できるようになることや他言語での円滑な交流が期待できます。
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公立小松大学 生産システム科学部 生産システム科学科 助教 坂本 一磨 先生
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