直径2.5センチの小さな「目」を調べる! 多彩な眼科の検査

直径2.5センチの小さな「目」を調べる! 多彩な眼科の検査

目や涙の状態もとらえる

目の構造はとても複雑で、直径約2.5センチの小さな眼球の中でたくさんのパーツが精密な働きをしています。このため、眼科の検査にはたくさんの種類があります。
見え方を知るために、視力のほかに視野(見えている範囲)、光や色の見え方、両眼視(両目で立体的に物を見る力)などを調べる検査があります。ドライアイの診断では、涙の量やまばたきの回数を測ることもあります。目の形態も大切で、眼球の硬さや運動、網膜の状態などを見たり、写真に撮ったりします。画像検査は進歩しており、網膜の断面図を撮影できる三次元画像解析「OCT」もあります。
視能訓練士は目の検査や訓練を専門的に行う国家資格で、目を守るプロとして眼科のあらゆる検査に対応しています。

そのときの気分や会話が結果に影響する

眼科の検査は、見えるかどうかを本人が答える「自覚的検査」が多いのが特徴です。ヒトは、気分や体調で見え方が変わるだけでなく、自覚的検査ではそのときのコミュニケーションが結果に影響されがちです。「見えませんよね」といわれると見えているものが見えないと感じる、というようなことが起こるのです。
視能訓練士は患者の様子を観察するとともに体調や気持ちを思いやりながらコミュニケーションをとり、検査を行います。ロービジョンケアとして視機能が低下した患者への対応でも配慮が求められます。

赤ちゃんの目の異常を早期発見

目の検査は赤ちゃんにも行います。音の出るおもちゃを使って目の動きを見たり、目をふさいだときに嫌がる・嫌がらないといった反応を見たり、工夫しながら検査をします。幼児に対しては、絵カードのようなものを使う視力検査の方法もあります。
生まれてから6歳ぐらいまでが目の発達に重要な時期です。斜視・弱視があると、視力や立体視などの機能がうまく発達しませんが、トレーニングで見る力を育てることができます。訓練を早く始めることが大切で、視能訓練士は健診での斜視・弱視の早期発見とその訓練においても、その力を発揮しています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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新潟医療福祉大学 医療技術学部 視機能科学科 教授 小林 昭子 先生

新潟医療福祉大学 医療技術学部 視機能科学科 教授 小林 昭子 先生

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視覚機能学、視能検査学

メッセージ

人間の感覚はとても不思議なもので、見え方はそのときの気持ちや体調、会話など、いろいろなものから影響を受けます。患者さんの様子や反応に気をつけながら、患者さんの気持ちに寄り添って検査を行い、見え方を上手にとらえて結果に表すのが視能訓練士の役割です。教科書通りにはいかないところが難しいのですが、そこも腕の見せどころで、よりよい検査の方法・技術を工夫・研究できる魅力もあります。視能訓練士は、大切な「目」を守ることで赤ちゃんから高齢者まで多くの人の役に立つ、やりがいの大きい仕事です。

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6学部15学科すべての学科で国家資格をはじめとした専門資格の取得に対応したカリキュラムを配置しています。また、看護・医療・リハビリ・栄養・スポーツ・福祉の総合大学である利点を生かし、他学科の学生がチームを形成して学ぶ「連携教育」を導入し、関連職種への理解やコミュニケーション技法を身につけることで実践的な「チーム医療」を学びます。さらに、【スポーツ×リハビリ】【看護×福祉】など、学科コラボによる学びで、幅広い知識を修得します。