異常のない検査画像から乳がんのリスクを予測! AI画像診断支援

異常のない検査画像から乳がんのリスクを予測! AI画像診断支援

しこりや石灰化がわかるマンモグラフィ

日本では乳がんにかかる女性が増えており、日本人女性の9人に1人が一生のうちに乳がんにかかるとされています。乳がんになる年齢を見ると、30歳代後半から増えはじめて40歳代後半と60歳代後半に2つのピークがあります。乳がんの早期発見のため、40歳になったら2年に1回の検診として、定期的にマンモグラフィ検査を受けることが推奨されています。
マンモグラフィは乳房専用のX線検査です。乳腺にできた丸いしこりだけでなく、石灰化によってできたカルシウムの細かなつぶもよくわかります。しこりも石灰化も多くは良性ですが、がんが疑われる場合があります。

検診を受けたとしても

乳がんは早期には自覚症状がないことが多く、検診はとても大切ですが、課題もあります。マンモグラフィでは乳腺もしこりも白く映るため、乳腺組織が豊富な若い女性ではしこりを見つけにくくなります。実際にマンモグラフィではわからなかったしこりが、エコー検査(超音波検査)で見つかることもあります。また、進行のスピードが早いタイプの乳がんは、2年に1回の検診では早期発見できない場合があることも課題です。

一人一人に適した検診

こうした課題の一方で、近年AIによる画像診断支援の技術が進歩しています。乳がんに関しても、例えば乳がんが見つかる前と後の検査画像のペアをAIに学習させることで、異常のない画像から乳がんのリスクを予測しようとする研究などがあります。また、マンモグラフィでは見つからなかったがんがエコーで見つかった人の画像と、健康な人の画像の違いをAIに分析させる研究も行われています。年齢や乳腺の状態などを指標にして違いを明らかにすることで、しこりや石灰化が見られないマンモグラフィの画像から「毎年検診を受けたほうがいい人」や「エコー検査も受けたほうがいい人」を見つけられるようにすることが目標です。
一人一人に適した検診の方法がわかれば、早期発見の可能性をより高めることが期待できます。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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新潟医療福祉大学 医療技術学部 診療放射線学科 助教 甲斐 千遥 先生

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画像検査&診断機器のスペシャリストである診療放射線技師は、「医療と工学の二刀流」で最新の技術を学びながら活躍できるところが魅力です。患者さんの診断や治療に関わるだけでなく、研究者になる人や、メーカーで機器の開発やメンテナンスなどの仕事をする人もいます。私も企業で働いてから、自分の思い描いた「乳がんを超早期発見できる世界」を切り開きたいと思って研究者になりました。いろいろな道があるので、画像検査や機器に興味があるなら、ぜひ診療放射線技師を選択肢の一つにしてください。

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6学部15学科すべての学科で国家資格をはじめとした専門資格の取得に対応したカリキュラムを配置しています。また、看護・医療・リハビリ・栄養・スポーツ・福祉の総合大学である利点を生かし、他学科の学生がチームを形成して学ぶ「連携教育」を導入し、関連職種への理解やコミュニケーション技法を身につけることで実践的な「チーム医療」を学びます。さらに、【スポーツ×リハビリ】【看護×福祉】など、学科コラボによる学びで、幅広い知識を修得します。