教員のタマゴと「地域にいるスゴい人」との出会いで教育は変わる!

新しい時代の教育を
従来の学校教育が、大きく変わろうとしています。2020年度から段階的に実施されている新学習指導要領では、これからの時代に必要となる資質・能力を育成するための「主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)」が重視されています。また地域と一体となって子どもたちを育む「地域とともにある学校」への転換も図られています。一方で、実際の教育現場ではこうした流れに対応できる環境がまだまだ整っておらず、新しい教育を率先して作ることができる教員の育成が急務となっています。
浦幌町の取り組みに学ぶ
そこで現在、地域教育を行う教師の最適な育成方法を探るために、少子高齢化などの社会問題に本気で取り組んできた自治体や地域社会などの先進事例の調査がなされています。その代表が北海道十勝郡浦幌町の事例です。これは、2010年に町内最後の高校が閉鎖されて高校に進学する子どもが町を離れることから、子どもたちの町への愛着が薄れることを危惧した住民が始めた「ふるさと学習」プロジェクトです。小学校5学年次に実施する地域の酪農家や農林業家への民泊体験など、ほかではほとんど類のない取り組みを通して成功を収め、教育に関心を持つ人々から大きな注目を集めています。
「学校の外にも人がいる」
教員自身に地域と関わった経験がなければ「学校地域連携」はかないませんが、教員志望の学生たちの多くは家と学校の往復しか経験してきておらず、実際の地域についてはほぼ何も知りません。そこで浦幌町への調査では、教員志望の学生が同行する取り組みも実践されています。地域教育を指導する力を得るための最初のステップは、地域で活躍する「スゴい人」たちの存在を知り、地域とその住民へのリスペクトを持つことです。そのステップを踏むことで「自分が味わった感覚を子どもにも味わってもらう」という視点で子どもを指導できるようになります。このように、先進事例に学び、子どもたちの主体性を育むための模索が続いています。
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先生情報 / 大学情報

北海道教育大学教育学部 教員養成課程(釧路校) 准教授宮前 耕史 先生
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地域教育学、日本民俗学、文化人類学先生が目指すSDGs
先生への質問
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