勉強法について学ぶ! 自分に合った学び方を知ろう

幸福のための3大要素
伝統的な経済学に心理学の知見を取り入れた行動経済学では、「幸福研究」も重要な研究分野の1つです。幸福を高めるために重要なものとして「学び(仕事・所得)」、「健康」、「人間関係」などが挙げられます。これまで誰しも、勉強しなさい、勉強をした方が良いとは言われても、「勉強法」について学ぶ機会は少なかったのではないでしょうか。今回は、科学的な根拠に基づいた「学び方」を紹介します。
小さな「成功体験」を積み重ねる
デカルトは「困難は分割せよ」という言葉を残しました。勉強に取り組む際にも、いきなり大きな目標を立てて挫折するよりも、小さな目標を設定して、それらを1つ1つクリアすることで成功体験を積み重ねていくことが重要です。そして、これまで出来たのだから、今回も自分には出来るはずという自信を育てていくことが、さらに大切です。もし、学校の勉強で悩んでいる場合、好きな1科目だけを熱心に取り組んでみるという方法があります。ある1科目において、自分の勉強スタイルを確立することが出来れば、2科目め、3科目めは、それほど困難ではないかもしれません。
勉強することで次の目標・やりがいが見つかる
さらに、良いとされる勉強法には、学んだことや覚えたいことを、積極的に思い出すようにするアクティブ・リコールや、その思い出す頻度や勉強する間隔を適度にとる「分散学習」(間隔学習)という方法もあります。そして、心の中でもう1人の試験官・面接官を作りだして、いま学んだことについて「なぜ、そうなるのか」という本質的な理由を述べられるようにすることも重要です。この方法は、自己説明や精緻的質問と呼ばれています。
最後に、勉強のモチベーションがなくても、勉強をすることで知識が広がり、その中で次の目標・やりがいが見つかることも大いにあり得ます。日々、少しずつでも勉強することでその成果は積み重なり、人生は少しずつ変わっていくのです。
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東海大学政治経済学部 経済学科 准教授田村 輝之 先生
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