現代社会ではすべての人が何らかの組織と関わっています
うまく経営するには組織論が不可欠です
経営学といえば「企業経営の学」と思われるかもしれませんが、経営に必要な要素は「ヒト、モノ、カネ、情報」などの経営資源です。これらの経営資源をいかに効果的にひとつにまとめ上げるかを考えるのが経営学の基本的な発想です。一般社会では、これらの要素がすべてそろっているからといって企業経営がうまくいくとは限りません。逆に、カネも、モノもない、素人集団がみんなのがんばりで、十分あるとは言えない経営資源をうまく組織して成功する場合もあります。この「みんなのがんばり」をうまく引き出す経営・管理が大切です。ですから、経営学においては組織論が不可欠です。
会社も家庭も組織の一つです
ところで、そもそも組織とは何でしょうか?
組織は会社や団体という大きな単位で語られることが多いのですが、学校も、病院も、サークルや趣味の活動団体、そして家庭もひとつの組織です。「組織」をそのように広くとらえてみると、わたしたちの日常生活のあらゆる場面に組織が介在していることを理解できます。現代社会のこうした特徴をとらえ、20世紀以降を「組織社会」と呼ぶことがあります。
現代社会は、複雑にからみあったさまざまな組織との関わりによって成立も存続も、そして発展も可能であり、こうした組織との関係性をバランスよく保ちながらよりよく生活することが必要です。例えば、家族を養うために会社という組織に所属しているうちに、家庭で過ごす時間より会社で過ごす時間が多くなる場合があります。その結果、コミュニケーション不足から、家庭での人間関係の不和をもたらす場合もあります。わたしたちが日々経験する喜びや悲しみ、そして苦しみの多くが、こうした組織との関わりの中で生じてきます。組織と個人の関係は常に分かちがたい問題として考えなければならないのです。
こんにちではますます、こうした組織の存在が目立つようになってきました。だからこそ、組織と人間、社会、自然環境との関係を問う経営学が必要になってきています。
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