救助にロボットが使われるために
消防自動車レベルの活用度
現在、研究者たちによって、災害現場で役立つレスキューロボットの開発やテストが行われています。災害救助は時間との勝負です。レスキューロボットは、消防士、自衛隊員、警官などが消防自動車を使っているのと同じように、便利な道具として使えるようにならなければなりません。その実現に向けて、研究者たちは日々、レスキューロボットの改良を続けています。
例えば、「ケナフ」というクローラ(キャタピラ)駆動の、世界一の運動性能を持つレスキューロボットが研究開発されています。人間の代わりに地下街などに入り、サーモグラフィー、カメラ、ガスセンサなどを使って、救助を求めている人を捜索し、その状況や現場環境などを調べる機能を備えています。全長1m、幅50cmくらいの大きさで、現場で救助活動をするレスキュー隊員が持ち運びできるよう、重量は20kgほどになっています。
レスキュー隊員の訓練所で実証試験
ロボットが実際の災害現場で使われるための必要条件の一つとして、レスキュー隊員が普段の訓練で使用し、熟練するとともに、現場で使用適否の判断ができるようになっていることが重要です。そのためには、レスキュー隊員の訓練所で実証試験を繰り返さなければなりません。
「ケナフ」は、米国の災害対応組織FEMAの全米最大の都市型災害救助訓練所であるDisaster City(テキサス州)において、パンケーキ型倒壊の建物、および、列車事故での人命捜査の実証試験を、FEMAの都市型災害救助の専門隊員達と協力して行いました。その結果、瓦礫を踏破する能力の高さ、半自律での不整地走破、3次元地図計測による遠隔操縦などが、非常に使いやすいという評価を得ることができました。
さらには、ロボカップ2007アトランタ大会、2009グラーツ大会に出場し、運動性能の部で2回の世界優勝を果たしています。
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先生情報 / 大学情報
東北大学 大学院情報科学研究科 教授 田所 諭 先生
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ロボット工学先生への質問
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