色の持つ心理的側面を追究していく面白さ
色彩はデザインの中でも重要
カラーコーディネーターというのを聞いたことがありますか。
カラーコーディネーターとは、色についてのアドバイスや提案をする職業です。したがって、企業の商品開発や広告宣伝はもちろん、室内のレイアウトや事務用具など、総務的な経営面を含めて、産業的にもさまざまな業種や立場の人とかかわりを持っていくことになります。
人は、ものを見るときにまず色によって判断するケースが非常に多くあります。色彩が人に与える影響は強く、デザインの中でも非常に重要な位置にあります。ですからカラーコーディネーターは、色彩だけを扱う職業ではなく、デザイン工学という点からも色彩を理解する必要があります。さらに、色彩には人間の心理面も大きく作用してきます。色とデザインとを合わせ、さらに人間の色に関する心理的な側面をも考慮しながら考察していきます。なお、カラーコーディネーターの資格をとるための検定もあります。
多方面にわたってアンテナを張っておこう
しかし、色に関しては、色彩が人に対して、どんな影響があるかということを知っているだけではあまり価値がありません。あくまで、企業の求めていることを理解して研究や調査をしていくことが大事なのです。もともと、色というものは私たちが受け取る感覚であり、物理的に存在するものではありません。それが、商品など、何らかの形で表されることによって意味を持ってくるのです。
だからこそ、マーケティングを含めた研究をしていく必要があるのです。そのためには、あらゆるものに興味を持ってアンテナを張っておく必要があるでしょう。例えば、新幹線の車体には多くの人が好む色が配色されています。これは、人間の色に対する印象や心理をあらゆる角度から研究した結果だと言えるのです。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
千葉大学 工学部 総合工学科 デザインコース 教授 日比野 治雄 先生
興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!
デザイン工学先生が目指すSDGs
先生への質問
- 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?