留学生が日本語の作文を書く時、どんな方法で書いているの?

留学生が日本語の作文を書く時、どんな方法で書いているの?

作文を書いている時は、頭の中で何を考えてるの?

日本語を勉強する外国人留学生が、日本語の作文を書くときにはどんなふうに書き進めていると思いますか? 毎日教えている中で疑問に思い、留学生が日本語で作文を書く際に、頭の中でどんなことを考えているのかについて調べてみました。頭の中で考えていることを知るために使ったのは、考えていることをすべて声に出してもらい、その様子をビデオで撮影しておくという方法です。すると、書き始めたときはテーマについての問題点がはっきりしていなくても、書いていくうちに、徐々に自分の考えや問題点がはっきりとしてくるということが見られました。テーマと奮闘し、悩みつつ書くことで、自分の考えが深まったり、意識していなかったことを意識できるようになったりするようです。

下書きは書くべき?

また、下書きをするのかしないのか、そして書くとしたらどんなふうに書いているのかを、韓国語を母語とし、現在日本語を学んでいる学生を対象に調査しました。すると、何の下書きもせずに書き始める人、構想のメモ書きをする人、漢字や文法を下書きで確認する人、とにかくすべてを下書きする人といろいろでしたが、一番多い方法は、すべてを下書きする人でした。何の下書きもせずに書き始める人は、文章を書き進めているうちにわけがわからなくなったり、どう書き進めていいのかわからなくなってしまったりすることがあるようです。やはり全体の構想は、前もって下書きしておく方がよいようです。

外国語の作文を書く際、母語を使ってはダメ?

外国語で作文を書くときに、母語を使わずに書くようにと指導されることもありますが、下書きに母語を使ったりすると何か悪い影響があるのでしょうか? これについても調べてみたところ、さまざまな観点はありますが、母語を使ったからといって大きな悪影響が特に見られないことや、母語を使ったほうが効果のある側面も見られることがわかりました。

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国際教養大学 国際教養学部 日本語プログラム 助教 石毛 順子 先生

国際教養大学 国際教養学部 日本語プログラム 助教 石毛 順子 先生

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日本語教育

メッセージ

私は大学ではある外国語の専攻でしたが、今は外国人に日本語を教えています。学生時代に留学生をサポートするチューターを経験し、外国人と友だちになる喜びや日本語を教える楽しさを知ったことが、今の道に進んだきっかけです。さまざまな学生を教えてきましたが、初級クラスの学生が、いろいろなことを吸収して日本語がどんどん上手になっていく過程を見ることができるのも、上級クラスの学生とさまざまなテーマで語り合えるのも、教師としての大きな喜びです。そして、いろいろな文化を学生から学ぶことができるのも、この仕事の魅力です。

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