基本動詞の最大公約数のイメージをつかんで、英語を使いこなそう!
英語の習得はなぜ難しい?
実は英語はツギハギの言語です。元々はドイツ語系の言語にラテン語がフランス語経由で大量に入り込んだ結果、現代英語の語彙の約4割がフランス語やラテン語由来なのです。ラテン語由来の「translate(翻訳する)」は、英語本来の語彙であれば「put A into B(AをBに翻訳する)」と簡単な動詞で表現可能です。また「延期する」もラテン語からpostponeが入ってきましたが、英語の本来の句動詞にはput offがあります。これらを別々ではなく、クラスターにして覚えると有効です。辞書を引くと、goやrunなどの基本動詞はたくさんの意味が載っているので嫌になってしまいますが、最大公約数的意味に集約できます。
最大公約数のイメージを持つ
基本動詞は「最大公約数的な意味のイメージ」を持つと覚えられます。runは辞書には60以上の意味が書かれていますが、最大公約数的意味は「一方向にスピーディーに進む」です。「A sudden pain ran through my body.」という英文なら、runのイメージとthrough(~を通り抜ける)を足し算すると、「突然の痛みが私の体を駆け抜けた」と意味を推測できます。フランス語(ラテン語)由来の「pierce(貫く)」という動詞と同様の意味も、runという簡単な動詞で表現できるのです。本当に「目から鱗状態」だと思います。
教材にぴったりな映画
映画は自然な会話の集合だと思っていませんか? 実は映画のセリフは人工的な会話の極みです。脚本家が映画の場面や登場人物を精査し、その人物のその場での最適な表現を厳選しています。そのような完ぺきに選ばれた表現を覚えることで、ピンポイントな表現を身につけられます。登場人物が教育を受けた人なら、フランス語やラテン語由来の表現の使用が増えますし、そうではない人物のセリフには庶民のことばである基本動詞の表現が多用されます。動詞の最大公約数的意味をとらえた上で、映画で検証するとしっかりと身につきます。
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先生情報 / 大学情報
京都外国語大学 外国語学部 英米語学科 教授 倉田 誠 先生
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