塾に通うのは禁止? 中国の教育改革

塾に通うのは禁止? 中国の教育改革

デジタル化を支える教育

中国ではデジタル化が進んでおり、生活のあらゆる場面で自動運転や配送ロボットのような最新技術が活用されています。中国のデジタル化を支えてきた要因のひとつが教育です。英語や科学技術の授業を小学校でも行うほか、塾に通わせたり、親が独自に宿題を出したりと、膨大な勉強量を子どもに与えていました。

詰め込み型からゆとり型へ

中国に大きな躍進をもたらした教育ですが、内容を詰め込みすぎたために子どもの負担が大きくなったことが問題視されました。勉強をしすぎて人格崩壊を起こしてしまった子どもも珍しくありません。そのため詰め込み型の教育を見直し、人格を豊かにするようなゆとりのある教育をしようと方針が変わりました。例えば塾に通わせることを禁止して勉強以外の時間を確保させたり、宿題の量を制限したりといった内容です。また、世界で優れているとされている教育をなんでも詰め込むのではなく、自分たちに合った方法や内容を取捨選択するようになりました。その結果、小学校では英語の授業時間を減らし、まずは中国語をじっくり身につけさせようとしています。教育方法を検討するときは、日本のゆとりのある教育も参考にされています。

教育改革の重要性

中国では軍事と教育に介入できる人こそが能力のある指導者だと考えられています。そのため毛沢東や習近平などの政治家も教育改革に力を入れてきました。教育に対して大胆な介入をして、政治指導者のカリスマ性を証明しようとしているのです。教育改革の成果は中国の技術力や企業の躍進に反映されており、日本でも参考にできる点があるのではないかと研究が行われています。
その一方で中国社会では、少子高齢化などこれまで直面してこなかった問題が浮上しているため、従来通りの教育や社会の仕組みが通用しなくなるかもしれません。そこで、少子高齢化を経験している日本の取り組みを参考するなど、日本と中国がお互いに学び合えば、ともに発展していけるものと期待されています。

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亜細亜大学 国際関係学部 多文化コミュニケーション学科 教授(学部長) 三橋 秀彦 先生

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国際関係学

先生が目指すSDGs

メッセージ

グローバル化の今日、我々の仕事や生活はもはや日本国内だけでは成り立たなくなっています。社会のデジタル化の進展がそのよい例です。最先端の技術やその応用例が日本に少なくなっている今日、海外に出て初めて気が付くことが多くなっています。今ほど海外から学び、国内の問題解決に役立てるべき時代はありません。例えば世界の経済に大きな影響を与えている中国です。中国で起きたことが、数年後には日本の経済や社会に大きく影響を及ぼすかもしれません。将来生じる課題にいち早く対応するためにも、中国について学んでみませんか。

先生への質問

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亜細亜大学では「多様な夢に挑み、アジアの未来に飛躍する創造的人材」の育成をめざし、5学部8学科の学士課程教育、国際教育、キャリア教育と軸とした教育体制を整えています。
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