「いい人」は組織でイノベーションを起こしやすい?
日々の行動を少しずつ変えることも
「イノベーション(革新、改革)」と聞いて、どのようなイメージを持ちますか? イノベーションとは組織におけるこれまでの常識を打ち破り、まったく新しい常識を根付かせることです。そんなイノベーションを起こせるのは、イーロン・マスクやスティーブ・ジョブズのような天才と呼ばれる人たちだけでしょうか? 決してそのようなことはなく、毎日の仕事のやり方を少しずつ変えることもイノベーションと呼べるのです。一部の天才が創造的な方法で組織に改革をもたらすのではなく、日常の当たり前を少し変えてみることからイノベーションは始まります。
めざすべきは、味方の多い「いい人」
組織で何か新しいことを始めようとすると、必ず反対意見が出てきます。仕事のやり方を新しくするなど、これまでの当たり前を変えることは基本的に「面倒」なため、多くの人が敬遠しがちです。では、イノベーションをうまく実現するためにはどうすればいいのでしょうか? それは、それを押し進める人が「いい人」になることです。独創的なアイデアや行動力よりも、その人自身が「いい人」であることが求められます。「いい人」には多くの味方がつきます。助けてくれる味方が多くいるということは、社内政治が進めやすいということです。ここで大切なのが利他性です。「このイノベーションにより、仕事がこれだけ効率化されて、収益もこれだけ上がります」と他者へのメリットを明示することです。
多様性とイノベーションの関係
イノベーションを実現することは、多様性のある組織の実現にもつながります。少子高齢化の進む日本では今後、労働力を海外から入れる必要が出てきます。そのときに社内の公用語はどうするべきか? 日本語から英語にするべきか? それには当然反発も出るので、社内の調整が必要です。どうすれば異なる文化出身の人たちみんなが実力を発揮できるのか、いろいろと試行錯誤する中で、日本社会が海外出身の労働者と共存する方策が明らかになってくるでしょう。
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福岡大学 商学部 経営学科 講師 大上 麻海 先生
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