知のライブの場、「サイエンスカフェ」
カフェのようなリラックス空間で語り合う
サイエンスカフェとは、カフェのようなリラックスした雰囲気の中で、ドリンクを飲みながら科学について語り合うイベントです。1990年代後半、イギリスやフランスで開催されたのが始まりで、日本では2005年頃から盛んになりました。街中のカフェやバー、博物館、場合によっては商店街の路上などで実施されています。高校生を対象にした「ジュニアサイエンスカフェ」も開催されています。
コミュニケーション重視の運営形態
サイエンスカフェの目的は、研究者と市民が同じ目線で気軽に科学について考え、コミュニケーションをすることです。研究者が壇上から講義する通常の授業や講演会とは大きく異なります。研究者と参加者が科学をめぐって一緒に考え、自由に語り合う場がサイエンスカフェなのです。
肩ひじ張って「勉強しよう」と身構えるのではなく、もっと気軽に参加でき、自由に発言できるのがサイエンスカフェの魅力です。講演調になることを避けるため、プロジェクターは使わない、話題提供者を「先生」と呼ばないなどのルールが採用されることも多いです。講義室や講演会場ではなく、カフェのような場所で開催されるのも、リラックスして自由に会話できる環境を重視するからです。
社会に開かれた学問
サイエンスカフェのやり方は多様です。最初に研究者がその日のテーマに関連した話題について話し、それから質問や意見交換、ディスカッションが行われることもあります。研究者と芸術家が、あるテーマをめぐってそれぞれの見方を提示することから始まるサイエンスカフェもあります。
もともとはパリで始まった「哲学カフェ」にヒントを得たのが始まりです。古代ギリシャの哲学者は、街へ出ていろいろな人とふれあい、語り、その中で考えを醸成していきました。サイエンスカフェはそんな流れをくみ取った、「学問のライブ」の場です。研究者も一般の人々と直にふれあうことで、自分の研究について考え直し、あらたな研究のヒントを得るきっかけにもなります。
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