幸福に生きよう! 日本を活性化に導くウェルビーイングとは
ウェルビーイングとは
「ウェルビーイング」という言葉が聞かれるようになりました。本来、「健康・幸せ・福祉」という意味ですが、特に注目されているのは「幸せ」です。心理学では、人はどうすれば幸せになれるか、すでに研究で解明されています。やりがいを持っている人、利他的な人や自己肯定感の高い人、そして人とのつながりがある人は「自分は幸せだ」と感じています。そして今、この研究結果を実社会に生かそうと、各分野で取り組みが行われています。
例えばハウスメーカーの取り組みでは、住居の玄関から各部屋までの途中にリビングルームを作り、家族同士の会話ができるようにします。また、縁側を作ることで、家の内側と外側とのオープンなコミュニケーション空間も実現します。職場であれば、部屋の中央に休憩室を置いて、物理的に社員同士の会話が生まれる空間を作ったります。
なぜ今、幸福感が大切か
幸せな人は、そうでない人に比べて創造性が3倍も高く、生産性も1.3倍高いことがわかっています。離職率も欠勤率も低く、寿命に至っては7~10年も長いという結果が出ています。小学校でも不登校やいじめの件数が減り、学校を好きという子どもも9割を超え、当然学力も上がります。「幸せ」は人のパフォーマンスを劇的に向上させます。
ウェルビーイングで世の中を変える
人類は18世紀半ば以降に起こった産業革命以来、経済成長を第一に歩んできました。しかし今や環境悪化や貧困、パンデミックや戦争、少子化といった、人を不幸せにする数々の問題に直面しています。大げさでなく、明治維新ならぬ令和維新という規模で、世の中を創り直す大きな転換期に来ています。カギはウェルビーイングです。「幸福」は工学や医療、まちづくり、教育など各分野で知見を合体させることが可能です。人々が力を合わせて幸福を軸にした世の中へ価値観を変えていけば、社会は活性化し、住みよい世の中になります。
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先生情報 / 大学情報
武蔵野大学 ウェルビーイング学部 ウェルビーイング学科 教授 前野 隆司 先生
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心理学、幸福論、哲学、社会福祉学先生が目指すSDGs
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