好奇心と科学の関係とは?
美しい花には謎がある
自然現象は美しくて不思議なものです。例えば桜、桃、梅などの花びらは、花の種類にかかわらず5枚あります。そして、5枚の花びらが集まった形は、およそ五角形をしています。科学の視点で考えると単純に五角形だけで平面を埋めることは不可能なため、三角形や四角形に比べれば五角形は異端な形だと言えます。それでも自然界には五角形の花が存在し、人はそれを見て美しいと感じます。
体験がものの見方を養う
もう一つ例を挙げてみましょう。雪の結晶は思わず見とれてしまうほど美しい形をしています。基本的には六角形をしていますが一つひとつの結晶の形は異なります。なぜそれぞれ違うのでしょうか。
それを不思議に思うなら、例えばコンピュータを使って、気温や湿度、風などの条件をもとに結晶成長の様子をシミュレーションしてみましょう。科学の学習や研究を進めるうえで大切なのは、このように自分でやってみる、体験してみることです。これが科学的なものの見方への第一歩で、ものごとを数的に理解し、結果を推定する力を養うのです。また実験結果を第三者に説明することで、表現するスキルも知らず知らずのうちに身につきます。
疑問や好奇心から始めてみよう
科学とそこから生まれた技術の数々は、私たちの生活に欠かせないものです。科学は机上の学問ではなく、人間が自然に触れ、神秘を感じ、それを解明しようとチャレンジすることで進歩してきました。これまで先人たちが進めてきた科学の探究の歩みをこれからも進めていかなければなりません。
物理学者・中谷宇吉郎(なかや うきちろう)は、雪の結晶の写真集を見てその美しさに感動し、雪の研究を行ったと言います。彼は自分の仮説を確かめるために、人工雪を作る方法を考え出しました。体、脳、コンピュータを使って多角的に物事の仕組みを理解し、さらに次の発想へと広げていくところが科学の面白さです。その醍醐味を味わうには、まずは身近な疑問や好奇心から科学の魅力に触れることが大事なのです。
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先生情報 / 大学情報
愛知淑徳大学 人間情報学部 人間情報学科 教授 親松 和浩 先生
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