地域経済を活性化させ、日本を元気にする

地域経済を活性化させ、日本を元気にする

経済成長が鈍化し、元気がない日本

現在の日本は、あまり元気がありません。2010年の経済成長率は2.3%、失業率も5.1%と高く、少子化も続いています。東京はまだましなほうで、地方は人口が減り、シャッター街が生まれ、格差も広がっています。
日本は第二次世界大戦以降、アメリカの成功例をまねすることで、効率よく成長を続け、経済成長率が10%を越える高度経済成長期も経験しました。しかし、日本がアメリカに追いつき、インフラ(社会資本)も整備された今、日本は方向性を見失い、時代の変化に対応できていない状態が続いています。

中央への依存をやめ、地域の資源を生かす

日本全体の元気がない中、地方が生きていくには、どうしたらよいでしょうか。これからは政府の補助金に頼るような中央への依存をやめ、地方が自分たちの力で活性化する必要があります。そのためには、地域に埋まっている資源を活用し、地域のニーズに合った事業を興さなくてはなりません。地域の資源と言えば、人、モノ、金が思い浮かびます。これらは、プラスの資源であり、非常に重要です。

マイナスの資源を活用して、活性化に成功した例も

ただ、現実は高齢化など、マイナスの社会問題をかかえている地域のほうが多いでしょう。しかし、マイナス部分を資源にし、成功した例もあります。老朽化した旅館が多かった熊本県の黒川温泉は、施設の古くなった雰囲気を生かして改築したり、入湯手形を発行するなど幅広い年齢層に受ける戦略で活気を取り戻しました。石見(いわみ)銀山のそばにあり、山を浸食する竹林に悩まされてきた島根県温泉津(ゆのつ)では、竹を建築資材として販売したり、竹の子掘りのイベントを開催して、都会からの集客に成功したりしています。また、超高齢化と寂れた山村に悩んでいた徳島県上勝町では、山に生えている植物の葉っぱを全国の料亭などに出荷することで有名になりました。このように社会のニーズをつかむことができれば、どんな地域でも街を活性化することは可能なのです。

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横浜市立大学 国際教養学部 国際教養学科 教授 影山 摩子弥 先生

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社会学

メッセージ

私は中学から始めた剣道に熱中したり、ミュージシャンになろうとバンド活動を熱心に行ったりしました。同様にあなたにも自分が好きなことを深めてもらいたいと思います。それは、学問ではなく、部活でもいいでしょう。人は、やりたいことをやる時は、多少の困難でも乗り越えようとします。こうした経験は、乗り越える力を養うことになります。つまり、乗り越えるために、物を深く考えたり、自主的に何かをする経験を積むことになります。その経験は、大学入学後だけでなく、社会に出てからもきっと役に立つはずです。

先生への質問

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横浜市立大学は、「実践的な教養教育」を導入しています。高度な専門知識を教養教育を通じて身につけ、バランスのとれた人材育成を図る教育システムです。日本を代表する国際港湾都市に位置する大学として、世界に羽ばたく人材の輩出を目的に、国際感覚を養うさまざまな取り組みも充実しています。個々の可能性を最大限引き出すための厳しい教育プログラムを愛情を持って進めていきます。