問題解決の手法「オペレーションズ・リサーチ」って何?
簡単に言えば科学的な「問題解決学」
「オペレーションズ・リサーチ(OR:Operations Research)」という言葉を知っていますか? オペレーションズ・リサーチとは、簡単に言えば「問題解決のためのうまい方法」を見いだす手法と言っていいでしょう。何か新しいことをしなければならない時、あるいは現在行っていることを改善する時、あなたならどうしますか? おそらくいろいろな案を出し、それらを並べて比較・評価するでしょう。しかし、それではすべての案を比較することはできませんし、結果を予測するのも困難です。ORは、そうした新しいシステムの構築やシステムの運用方法についての問題を、科学的な技術とコンピュータを用いて分析し、最適な解決案を見いだす「問題解決学」とも呼べるものです。
もともとは軍事作戦研究として英米で発達
ORは、第二次世界大戦の時に軍事作戦研究として英米で発達しました。ミサイルが飛んできた時に、どういう操作・攻撃を行えば打ち落とせるのか、また戦場に物資を輸送する機関のロジスティクスでは、どういう運用をすればいいのかといった問題解決のために用いられたのです。またアメリカのアポロ計画では、プロジェクト管理にも使われました。その後、在庫管理や生産計画といった企業経営の手法として広く適用されるようになったのです。具体的には、統計学的手法による解析やシステム簡易モデルの作成、シミュレーションなどによって、問題の発見と解決案の検討を行います。
最も効率的な受験勉強の計画づくりが可能
しかし、ORの手法を使えばどんな問題でも解決できるわけではありません。前提となるのは、問題をモデル化、定式化できるかということです。例えば受験勉強の計画も、目標とする大学に合格するためには、科目それぞれの偏差値をあとどれだけ上げればいいのか、勉強に当てられる時間数、時間当たりの点数アップ効果などをモデル化し、データを収集できれば、あとは最適な科目ごとの時間配分を、コンピュータを使って計算できるのです。
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北九州市立大学 経済学部 経営情報学科 教授 平山 克己 先生
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