日本を支える底力 ~中小企業の技術力~

日本を支える底力 ~中小企業の技術力~

大企業を支えている中小企業

コンビニで買い物をするなどの日常的な行動はすべて経済活動に関係し、その多くは企業に関連しています。たいていの人が知っている企業は、大量のCMを流したり、パッケージに企業名が書かれていたりする大企業ですが、日本の企業全体の99.7%は従業員300人以下の中小企業で占められており、従業員数では約70%の人が中小企業で働いています。
2011年の東日本大震災のとき、東北にある部品工場が操業できなくなると、大手自動車メーカーが生産ストップになってしまったように、中小企業は大企業を支えているのです。

身近にある「世界一」

日本の技術力は世界トップクラスです。高い技術力を培ってきた要因のひとつに、産業集積が挙げられます。東大阪市や東京の大田区など一定の地域に多くの中小企業が集中して立地することによって世界に冠たる技術力が構築されてきました。身近にあって気づかない中小企業が、実は精密ナット技術において世界のトップだったり、痛くない注射針を世界で初めて開発したりした会社かもしれません。さらにホンダやソニーのように中小企業から世界的な企業にまで成長した例もあります。

新時代に向けて日本人の感性を武器に!

戦後から現在まで技術を高めてきた日本ですが、東アジア諸国の猛追などもあって今後も隆盛が続くとは限りません。また現代は、インターネットなどの普及によって生じる産業を含めた社会構造の変化もあります。しかし、例えば電気自動車の開発ではバッテリーや部品を組み合わせることで、大手自動車メーカーでなくても生産が可能です。また世界的に注目される日本人の感性を生かすこともできます。日本のアニメが世界で評価されていますが、これは日本特有の文化を取り入れた作品(ポップカルチャー)が、外国人に鮮烈な印象を与えているからだと言われています。日本人が自然に身につけている感性を活用して、アニメ分野だけではなく新しい時代のホンダやソニーを生み出すことも可能になってくると考えられます。

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先生情報 / 大学情報

桃山学院大学 経済学部 経済学科 准教授 義永 忠一 先生

桃山学院大学 経済学部 経済学科 准教授 義永 忠一 先生

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経済学、中小企業論

メッセージ

私が研究しているのは、日本の中小企業です。特に高い技術力を持つと言われている製造業に注目しています。あなたは、自分の身近なものがどうやって作られているかご存知でしょうか。もちろんその多くが大企業の製品であると思います。しかし、その製品がどのような部品からできているのかを考えてみてください。もしかしたらその部品を作っているのは、あなたの街や学校のすぐ近くの中小企業なのかもしれません。

桃山学院大学に関心を持ったあなたは

大学4年間は、実社会で活躍する前の最終教育期間です。実社会で問われるのは、解決すべき課題を見出し、その課題を具体的に解き、そして実行する力です。この課題解決と実行のためには物事の本質を見抜く力を自らが獲得していかなければなりません。
桃山学院大学は「自ら学ぶ力」をはぐぐむ大学。勉学、クラブ活動、ボランティア活動、海外研修、キャリア支援など、学生が自身の能力を自覚し、4年間で磨き上げていくための環境整備に力を入れています。
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