「電気」も「熱」も有効に使うまちづくり
環境に配慮しないまちづくりなどあってはならない
まちづくり、都市開発において、環境への配慮が求められるようになってきました。このような中で、太陽光で電気をつくったり、熱で電気をつくったりといった、これまでは馴染みが薄かったいろいろな発電の方法が、少しずつ私たちの生活にも身近に感じられるようになってきました。ここでは、CMなどでも見かけるガスの力で発電する自家発電機と、環境に配慮したまちづくりの関係について、その原理を少しわかりやすく説明しましょう。
ガスで発電! 熱は給湯に!
電力会社も、ガスエネルギーを火力発電で利用しています。ガスを燃料として燃やしたエネルギーを利用し、電気をつくるというものです。しかし、このときに火力発電所で電気エネルギーに変えることのできなかった熱エネルギーの大半は、利用されずに捨てられていました。家庭用のガス発電機では、電気をつくるときに生じる熱エネルギーをお風呂などに使うお湯を沸かすことに使うことで、「電気」をつくるときに発生する「熱」のエネルギーも、有効に活用することができます。
まちづくりに生かされる熱エネルギー
このようなガス発電機により、一般の家庭でも発電の際に出る熱を活用できるようになってきていますが、これをまちづくりにうまく組み込んだ地域もあります。例えば、神戸市灘区の西郷地区には、大きな発電所があり、この発電所が放出している熱エネルギーをなんとか有効に活用できないか? という声が上がっていました。この地区は酒の醸造が盛んな地区でもあるので、関係者や有識者の人たちで考え、隣接していた酒蔵で、酒造りの際の必要な蒸気に、この熱エネルギーを利用してもらうことになりました。発電所をつくるとき、こうした熱利用の観点を入れて建設場所を決めたり、いろいろな発電方法からその地域にあった方法を選択したりすることで、エネルギーの有効利用にも役立つ環境に配慮したまちにすることができるのです。
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先生情報 / 大学情報
下関市立大学 経済学部 公共マネジメント学科 教授 菅 正史 先生
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