空間情報を活用して、安全・快適・便利なユニバーサル社会を作る
技術の発達で得られるさまざまな空間情報
情報通信技術の発達により、近年、さまざまな形で空間情報を把握できるようになりました。例えば、人工衛星から地上の鮮明な写真を撮影できるようになっただけでなく、写っているものを識別して写真から地図を作ることも簡単にできるようになりました。また、GPS(全地球測位システム)を使えば、現在地などのリアルタイムの情報を得ることもできますし、特殊な電波を使えば、雲や煙などに覆われた場所でも、地球表面の状況を正確に把握することもできます。
被災地支援から防災・防犯まで用途も多様
さまざまな形で得られる空間情報は、その用途も多様です。東日本大震災の時には、寸断した道路や営業している店舗、支援物資の行き届いていない場所など、リアルタイムな情報を提供するサイトがボランティアによって作られ、情報が錯綜する被災地で大いに役立ちました。このほか、森林地帯の衛星写真を数年分集めれば、森林伐採の進行状況のモニタリングができます。また、最近増えている集中豪雨に備えるため、街を再現した3D映像を使い、雨量の変化と浸水状況をシミュレーションすることもできます。さらに、道路地図とリアルタイムの渋滞情報を組み合わせ、効率的な荷物の配送ルートを決めることも可能です。将来は、都市・地域・地球の環境の監視・改善や防災・減災・防犯などあらゆる分野での活用が広がっていくでしょう。
社会の課題を解決するために、空間情報を活用する
このように空間情報を活用することで、生活の利便性・安全性・快適性などを効率的に高めることができます。さまざまな種類の空間情報が得られるようになった現在、求められるのは、こうした空間情報をどう活用すれば、社会が抱える課題の解決につながるかという発想です。自分が日頃感じる不便さに着目し、それを解消するための仕組みを常に検討してみることが、新しい価値やサービスを創造することにつながるのです。
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東京都市大学 環境学部 環境創生学科 教授 史 中超 先生
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