みんなが幸せになる「パーソナルモビリティ」とは
パーソナルモビリティとは?
パーソナルモビリティは、立ち乗り型や腰掛けるイス型などの、一人乗りの移動機器のことです。エネルギー的な面から考えれば、人が移動する際のエネルギー消費を抑えることができることから省エネ効果が大きく、従来ある「自動車」とは異なる最先端の移動体と言えます。しかし、パーソナルモビリティは、例えば人間のわずかな体重移動が操縦特性に大きく影響するため、さらなる高度な制御技術の開発が必要になります。
誰もが乗れるモビリティをめざして
パーソナルモビリティは、さまざまな利用者が介護施設などのコミュニティごとにシェアしながら利用することも想定されています。パーソナルモビリティは、大きさや重量、重心の位置や駆動輪の配置により操縦性が極端に異なるため、機種が変わる度に初めから操縦に慣れる必要があります。さらにユーザーは健常者から要支援者、また子どもから大人まで非常に幅広い層が対象となります。例えば、高齢者は操作に慣れるのも遅く、運転能力の個人差もあるなど、ユーザーの特性は多種多様です。そこで、さまざまなモビリティの特性をユーザーの能力に応じて個性化する、「新しい制御技術」の開発が行われています。
制御技術で人が幸せになるモビリティをつくる
パーソナルモビリティは子どもから高齢者まで幅広く使われ、これからどんどん進化していくと思われます。さまざまな機種が生み出され、遠隔操作や隊列運転など、使われ方に応じた制御技術が開発されるでしょう。また、自動的に地図をつくったり、画像情報を使って自動運転されたり、センサー、アクチュエーター(油圧や空気圧などで動きを制御する装置)、バッテリーなど多くの新しい要素技術をシステムインテグレーション(統合)することで、新しい価値をつくり出していきます。今後、制御技術によって人間中心の設計も進展し、「人が幸せになるモビリティ」が実現していくと予想されています。
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