商品やサービスの価値は、消費者が決める時代?

テーマパークのさまざまな楽しみ方
テーマパークにおけるマーケティングを考える際には、「いかに面白いアトラクションを用意するか」という面に焦点が当たりがちですが、来場者に「いかに楽しんでもらうか」「いかにポジティブな感情を抱いてもらうか」という観点で考えると、設備の充実だけが手段ではないことがわかります。
例えば、「テーマパークのキャストに話しかけてもらう」「誕生日をお祝いしてもらう」という体験は、来場者にとっての幸せにつながります。また、テーマパークの近所に住んでいる人たちは、アトラクションが目的ではなく、毎日の散歩コースとして利用する場合があります。そんな人たちにとっては、「テーマパークを頻繁に利用するために、入場料が低価格であること」がとても大きな重要性を持ちます。
売るためでなく、幸せを感じてもらうために
企業が商品やサービスを売るために行っていた「マーケティング」の研究は、2000年代以降において、その意味合いを変えつつあります。
従来のマーケティングでは「企業が商品の価値を決める」というのが当たり前の考え方だったのに対して、現在は「消費者個人が商品の価値を決める」という考え方が広がってきています。企業が決める価値を「交換価値(価格)」、消費者が決める価値を「文脈価値」と呼びます。例えば、個人のライブ配信に対して行われる「投げ銭」などは、文脈価値の典型と言えます。文脈価値に基づくマーケティングにおいては、ユーザー中心、ひいては人間中心の商品開発やサービス提供が求められます。
鍵はウェルビーイング
文脈価値の研究は、特にヨーロッパやオセアニアで進んでいます。福祉を大切にする国々では、個人が身体的・精神的・社会的に良好な状態を示す「ウェルビーイング」という概念が浸透しているからです。ウェルビーイングをいかに高めるか、という観点は、企業だけでなく、地方公共団体や学校、まちづくりなどにも適用できるでしょう。つまり、マーケティングは、人々の暮らしをより豊かにするものであると言えます。
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