欧米文学を学ぶことは「生きる力」にもなる
文学を読むと自分を知ることができる
欧米文学に限らず、文学作品を読むことで、私たちは生きていくために必要な力をたくさん吸収することができます。まず、ひとつめは「自分を知ること」です。
詩でも小説でも、作品を読むと作者の考え方や心の中を知ることができます。作者の考え方を知ることで、自分の考え方との違いがわかります。「こんなふうに考えることもできるのか」という新しい発見や「私ならこう考える」という発想が生まれることは、多様性を知ることであり、視野を広げるという点でも、集団の中で円滑に活動する上でも非常に重要なスキルになるはずです。
文化、歴史、経済など、さまざまなことが学べる
また、自己理解のほかに「文化理解ができること」も重要なポイントです。
自分の国の文化をきちんと説明できる人は、残念ながら多くはありません。ただし、文学を学ぶとそれができるようになります。作品の内容で知識をつけることはもちろん、文学史を学び、作品が生まれた時代や社会背景を調べたり、出版時やその後の評価などを研究することで、国全体の風俗や歴史、経済、政治などを学ぶこともできます。こうした学びは、作品がうまれた国だけでなく、その対象を世界全体に広げることもできます。
もちろん、生きた英語を学ぶ上でも有効
もし、たくさんの外国の文学作品にふれるうちに興味を持つ作品に出会ったら、日本語訳ではなく、原書を読むことに挑戦すべきです。日本語訳のものは、手軽で理解しやすいですが、翻訳者の気持ちが入りすぎてしまったり、間違いや本来の意味がうまく表現できていない場合もあります。
原書を読むことは、英語を学ぶことにもなります。小説は基本的に正しい文章で書かれているので、英語を学びたい人にとって非常に有用な教材になるのです。わからない単語が出てきても、映画やTVなどと違って、自分で時間をかけて、辞書をひいて調べることができます。このように文学からは、たくさんのことを学ぶことができるのです。
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