子どもが楽しくなる体育の授業とは?

子どもが楽しくなる体育の授業とは?

身体活動量が減っている子どもたち

現代の子どもたちは、あまり身体を動かしていません。30年前の小学生の歩数は、1日約30000歩でしたが、今の小・中学生は10000~15000歩です。休みの日の場合は3000歩ほどの子どももいます。子どもたちの身体活動と体力には強い関係性があるため、体育の授業で、運動量を確保することが大切になります。体育は人気のある教科ですが、一方で苦手としている子どもも少なくありません。その場合はどうしたらよいのでしょうか。

言葉1つで子どもは変わる

子どもたちに体育を教えるときに、どのように言葉をかけるか、という点が大切です。それを教育用語としては「フィードバック」と呼び、その種類は大きく3つに分けられます。
1つめは肯定的フィードバックです。「君のここがいい」と、子どもの現状を受け止めます。2つめは矯正的フィードバックです。これは「この部分を、こうしたらよくなるよ」という言葉をかけ、うまくいく方法を教えるというものです。3つめは、否定的フィードバックです。「それはダメだ。何をやっているんだ」という言葉をかけるものです。
子どもたちがまず求めているのは、肯定的フィードバックです。何ができているのかが、子どもたち自身にもわかり、意欲を高めることにつながります。次の段階で「どこを変えたらうまくいくのか」という矯正的フィードバックへ進むことができます。一番してはいけないのは、否定的フィードバックです。子どもたちのやる気をそぎ、自信を失わせます。このように、子どもたちは教師の言葉によって変わっていくのです。

身体を動かす楽しさを教える

体育の楽しさは、できないことができるようになることです。そのため、教える教師も理論と知識をもとに、子どもたちにきちんと段階を踏んだ授業を行います。クラスのA君にとっては簡単でも、B君にとっては難しいということもあります。教師はいろいろなパターンの指導法を考え、子どもたちを正しい方向へ導くように努力をしていく必要があります。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

大阪体育大学 スポーツ科学部 スポーツ科学科 体育科教育コース 准教授 小林 博隆 先生

大阪体育大学 スポーツ科学部 スポーツ科学科 体育科教育コース 准教授 小林 博隆 先生

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体育科教育学

メッセージ

私は保健体育教師の養成に関わっています。意味のあることを、熱意を持って、上手に教えられる、そんな保健体育教師を育成したいと思っています。
よい体育の授業を行うためには、どのような教材を選んだらいいのか、どのような教具を使えばいいのか、学生の皆さんとともに考えます。実際に、小・中学校へ出向き、現場で行われている授業についても研究しています。「子どもたちが運動を好きになる」、そんな体育の授業をつくる勉強を一緒にしませんか?

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大阪体育大学は、1965年に関西初の体育大学として開学しました。
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教育学部では、3コースを設置し、幼稚園、小・中・高等学校、そして特別支援学校で活躍できる教員を養成します。