地方創生の未来を描く「情報デザイン」
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「情報デザイン」って何?
情報デザインは、情報の伝え方のデザイン(「形のあるもののデザイン」)、そしてコトやコミュニティ、仕組みなど「形のないもののデザイン」に分けられます。情報の伝え方を工夫するということは、人と人のコミュニケーションのあり方や人々の関係性をデザインすることにもつながります。人類は昔から、情報のデザインを行ってきましたが、情報化が進む社会の中で情報デザインの範囲も拡大し、果たす役割はより重要になってきています。
地域における情報デザイン
地方都市や集落の衰退の危機が叫ばれていますが、情報デザインはそういった問題にアプローチするための視点にもなりえます。東日本大震災で被災した岩手県陸前高田市の応援を目的に、2012年岩手大学の学生と教員により「岩大E_code」というチームが編成されました。これまで「いいことマップ」「たかたび」「だいぶそこまで」といった情報誌を発行しています。冊子という形のあるものの情報デザインを通して、陸前高田の市外の人たちに地域の魅力を伝え、関心を持ってもらうことをめざしています。SNSやアテンド(来訪者受け入れ)などの活動ともあわせて市外の多様な人々との接点を作ってきました。
人々の関係性のデザイン
情報誌の発行は市外の人たちを読者として意識していましたが、冊子は市内の人々にも興味を持ってもらうことができました。また取材のプロセスは、地元のさまざまな人とつながるきっかけともなりました。こうして市内の人たち、市外の人たちともつながっていくことで「内と外のつなぎめ」のひとつとなることをめざす、それがE_codeのミッションです。
震災後、各被災地に関心を持ち、訪問し、なんらかの活動を行った人々の中には強い思いを持ち続けている人たちがいます。そうした言わば「思民」と市民からなる「拡大コミュニティ」を積極的に作っていくことは復興と地方創生にもつながるでしょう。情報デザインにおける「形のないもののデザイン」の視点を生かすべき課題です。
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![岩手大学 人文社会科学部 人間文化課程 教授 五味 壮平 先生](https://yumenavi.info/img_p/P033550016gomiso.jpg )
岩手大学 人文社会科学部 人間文化課程 教授 五味 壮平 先生
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