「地形の成り立ちの不思議」と「未知なる地中の解明」に挑む!
上空から地形を見ると不思議がいっぱい
GoogleマップやGoogleアースを使って衛星写真を眺めるのが好きな人も多いでしょう。上空から景色を観察してみると、どのようにしてこの地形が作られたのかという興味がわいてきます。大地は長い年月をかけて盛り上がったり、沈み込んだりしながら、変化を繰り返しています。堆積物が積もって地層を作ることもあれば、水や風の影響で削られることもあります。このようにさまざまな要素が組み合わさって、地形はできあがっているのです。地形の成り立ちを知ることで、水害や液状化の起こりやすい理由がわかることもあります。
地層の調査でヒントになるのは火山灰
「自然地理学」の研究では、地図から地形を読み解くだけでは十分ではなく、野外調査に出て大地を作りだしているものが何なのか、調べることも重要です。わかりやすいのは道路建設現場などで露出した地層ですが、目に見えない地下の様子はボーリング調査で掘削し、地中の地層を試料として取り出して調べます。
研究では地層が作られた年代を特定するのが重要ですが、そのヒントとなるのが「火山灰」です。火山灰はそれぞれ微量な成分が違うという特徴があり、名前が付けられているものも数100種類以上あります。そのため火山灰の堆積具合を見れば、その地形が何万年前にできたのか推察できるのです。
関東平野の地下はどうなっている?
関東平野の大部分は大昔、海であったと考えられています。関東周辺は太平洋プレートやフィリピン海プレートなどが複雑に重なり合っているため、もともと海の盆地だったエリアが隆起し、日本最大の平野を作りだしました。関東平野では火山灰が降り積もってできた関東ローム層が注目されてきましたが、地中奥深くの様子についての研究はまだこれからです。コンクリートに覆われた街の地盤の様子がどうなっているのかを調べることで、今後の都市計画や防災対策に役立つ新しい発見が期待されているのです。
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先生情報 / 大学情報
東京都立大学 都市環境学部 地理環境学科 教授 鈴木 毅彦 先生
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