社会福祉の専門職―ソーシャルワーカーの役割と基本態度・技術

社会福祉の専門職―ソーシャルワーカーの役割と基本態度・技術

社会福祉とソーシャルワーカーの役割

社会福祉とは人権がまもられ、誰もが社会から排除されることなく、自分らしく生きていける、そして共生できる社会の実現をめざす総体のことです。そして、社会福祉の実践を担う専門職がソーシャルワーカーであり、国家資格の名称が社会福祉士です。
ソーシャルワーカーの役割は生活課題のある人に対して、その人の能力を生かすとともに、さまざまな人々と連携しながら、福祉関連の支援や制度を活用し課題を解決、軽減することです。加えて、地域の福祉課題を発見し、その解決に向けて地域の人々を結びつけたり、新たな支援をつくりだす役割もあります。
ソーシャルワーカーが活躍する分野は児童、障がい者、高齢者をはじめ、生活困窮、地域、医療、教育、司法、福祉ビジネスなど幅広くなっています。

ソーシャルワーカーが備えるべき基本態度

ソーシャルワーカーによる支援では、人とのコミュニケーションが欠かせません。また、利用者から信頼されることが重要です。そのためには利用者と出会う場面、例えば、利用者との相談支援面接における態度が大切になります。
この面接におけるソーシャルワーカーの基本態度としては、受容・傾聴・共感が求められます。受容とは利用者の存在をあるがままに、温かみをもって受け入れること、傾聴とは利用者の話にじっくりと耳を傾けること、そして、共感とは利用者の気持ちや感情をわが身のことのようにとらえ、その心情を深く理解することを意味します。

必要となるコミュニケーション技術

ソーシャルワーカーが利用者とかかわる際には上記の基本態度、そして言語的コミュニケーション(音声や文字によるメッセージのやりとり)とあわせて、非言語的コミュニケーションが大切になります。非言語的コミュニケーションとは、表情、動作、服装など非言語的な記号によるメッセージのやりとりのことです。ソーシャルワーカーは、非言語的コミュニケーションにも留意して利用者とかかわり、良好な支援関係を築くことが求められます。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

桃山学院大学 社会学部 ソーシャルデザイン学科(福祉) 准教授 梅谷 進康 先生

桃山学院大学 社会学部 ソーシャルデザイン学科(福祉) 准教授 梅谷 進康 先生

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社会福祉学

メッセージ

人は、さまざまな生活課題を抱える場合があります。例えば、育児・介護と仕事の両立、居場所や人とのつながりがない社会的孤立、経済的困窮、障がいなどです。
そのような生きづらさに対して、社会保障制度、地域社会、福祉専門職による支援、利用者本人や家族などの取り組みによって、解決していくものが社会福祉です。
この学問では人権について学ぶとともに、人と人との関わりや地域づくり、社会の仕組みを学びます。あなたも、生活に直結し、人の役に立つことが直接的にわかる学問である社会福祉について学びませんか。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

桃山学院大学に関心を持ったあなたは

大学4年間は、実社会で活躍する前の最終教育期間です。実社会で問われるのは、解決すべき課題を見出し、その課題を具体的に解き、そして実行する力です。この課題解決と実行のためには物事の本質を見抜く力を自らが獲得していかなければなりません。
桃山学院大学は「自ら学ぶ力」をはぐぐむ大学。勉学、クラブ活動、ボランティア活動、海外研修、キャリア支援など、学生が自身の能力を自覚し、4年間で磨き上げていくための環境整備に力を入れています。
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