空飛ぶ車もつくれちゃう!? 空気力学の可能性
飛行機やロケットはどうやって飛ぶの?
飛行機は空気の力を利用して空を飛びます。飛行機がエンジンの力で加速すると、その形状から翼の上と下を流れる空気の速さに差が生まれます。その結果、翼の下が高圧、上が低圧になって下から上に押す力がはたらくのです。これが揚力です。ヘリコプターでも原理は同じで、回転している羽根の上と下で圧力差が生まれて、上に持ち上がるという仕組みです。ロケットの場合は翼の揚力は使いませんが、羽根をつけ、空気の流れを調整し、思わぬ方向に行かないようにしています。
ドローンの改良にも役立つ「空気力学」
飛行機やロケットのように固定された翼を持つものを固定翼機、ヘリコプターのような回転する翼を持つものを回転翼機といいます。回転翼機の場合、一方向に回転することから、進行方向の右側と左側で揚力が不均衡になります。回転翼のドローンが当初すぐに落ちてしまったのは、これが関係しています。もちろんモータなどの問題もありますが、ドローンの改良にも「空気力学」が貢献しています。
可能性がいっぱい! 空飛ぶ車
地上を走り、空を飛ぶこともできる「空飛ぶ車」が構想されています。いろいろな用途が考えられますが、まずは災害や事故の際の人命救助での活用が期待されています。ドローンは災害が起きたときにものを運ぶことに使われますが、人を運ぶにはドローンでは力が足りません。
空飛ぶ車も固定翼型と回転翼型が考えられますが、固定翼型は滑走路が必要なので、滑走路なしで飛べる回転翼型の方が有望です。既存のヘリコプターだとヘリポートが必要ですし、着陸できる場所が限られますが、車に近いものであれば、いろいろな場所で活躍できます。着陸した後も、車として移動できるので、可能性が広がります。今は安全管理の面などでいろいろと議論が分かれていますが、技術ができ、多くの人が使うようになると、ルールも整備されてくるでしょう。
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先生情報 / 大学情報
横浜国立大学 理工学部 機械・材料・海洋系学科 准教授 北村 圭一 先生
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