高齢者は、健康のためにもっと肉を食べて歩きましょう!
高齢者にはたん白質補給と運動が必要
高齢になると食事摂取量が少なくなり、必要な栄養を摂取できなくなることがあります。特にたん白質の摂取量の低下は筋肉量の低下と関連します。下肢の筋肉量が低下すると、歩行の速度が遅くなったり、階段を上がるのに時間を要するようになります。歩行能力が低下すると、体を動かすことが億劫になり、悪循環となります。身体機能の低下の入り口は「ロコモティブシンドローム」です。身体機能の低下を予防するためには、運動習慣を持つことと十分な食事を摂取することです。
社会性が低下して外に出なくなる
定年退職すると仕事に行く必要がないので、屋外で行う趣味がない場合や友人が少ない場合には、家にこもりがちになり、社会性が低下します。これが運動不足の一因です。高齢者の1日に必要な運動量は、歩数に換算すると8000歩です。会社に通勤していればなんとかクリアできる数字ですが、家にこもりがちな高齢者にとって達成は簡単ではありません。また、1日に摂取すべき、たん白質量は60gですが、運動しないと食欲が湧いてきませんし、何らかの疾患にかかっていると、さらに食欲が低下します。
高齢者になると必要な栄養が変化する
高齢者が栄養不足に陥らないためには、社会性を回復することが重要です。しかし、最近は1人暮らしの高齢者が増えています。社会が、高齢者が家から出る機会を増やすことが必要です。また、壮年期は、食事の食べ過ぎはメタボになるため、食べ過ぎに注意が必要ですが、高齢者は、多少太っているくらいのほうが、長生きすることがわかってきています。高齢になると筋肉合成能力が落ちるため、その素材となるたん白質を積極的に摂取すべきです。年齢別に求められる種々の栄養素の量を正しく理解して、食習慣を改善していくことが重要なのです。
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先生情報 / 大学情報
県立広島大学 地域創生学部 地域創生学科 健康科学コース 教授 栢下 淳 先生
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