日本人は不健康? 食べる量が少なくても肥満になる!
なぜ肥満は問題なのか
日本では、1990年代から肥満体の人が増え、現在では成人の30%を越えるようになりました。しかし、現代の日本人が食べすぎているのかというと決してそういうわけではなく、むしろ米の消費量が減り、摂取カロリーも減少しています。では、何が肥満につながっているのかというと、乳製品や肉の消費量が急上昇しているのです。肥満は体脂肪が増えることで単に体重を増やすだけでなく、脂肪細胞が肥大化することで血圧や血糖値を上げる成分を分泌します。肥満が生活習慣病の根源と言われるのは、そういう理由からなのです。
運動するにも食事は大切
健康になるために、運動はよいと言われています。適度な運動には肥満抑制の効果もありますが、栄養バランスを整えたうえで行わないと免疫機能が落ちてしまい、感染症にかかりやすくなります。アスリートのような過酷なトレーニングも、免疫機能が落ちることもわかっています。運動の効果を得るためには、まずは栄養バランスのよい状態で行うことが大切です。さらに、運動により必要性が高まる成分や、脂肪の燃焼を高める食品成分を一緒に食べることで、効率よく運動効果を得られることができます。
食品の成分を学んで健康に 鶏の胸肉で疲労回復!
「バランスのとれた食事」が健康によいのはわかっていても栄養素を含むメニューを毎日とるのは、なかなか難しいと思います。近年注目されている、食品の機能性には、健康になるヒントが詰まっています。例えば、鶏の胸肉に含まれるイミダゾールペプチドは、疲労回復やケガの防止に効果があります。イミダゾールペプチドはタンパク質に含まれるアミノ酸の結合体で、鶏の胸肉や鮭から摂取することができます。栄養の知識をうまく使えば、無理な運動や厳しい食事制限をすることなく、健康になれるのです。
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大東文化大学 スポーツ・健康科学部 健康科学科 教授 蕪木 智子 先生
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