医療への導入も期待! デジタルトランスフォーメーションとは?
よりよい社会のためにデータを活用
コンビニでは翌日のパンの売上を予測し、発注する個数を決めています。ある実験で、従業員の経験値より人工知能(AI)で予測したほうが売れ残りは少ない、という結果が得られました。働く上で経験はとても重要です。その一方で、コンピュータやデジタルデータを適切に管理し活用すれば、私たちの社会をよりよい方向へ変えていくこともできるととらえることもできます。デジタルトランスフォーメーション(DX)というこの考え方は、業界を問わず積極的な導入が求められており、国もDXを推進しています。熟練の大工が経験の浅い職人よりも確かな技術で家を建てるのは当然のことですが、熟練した技術を定量化し情報を共有すれば、その差を埋められるかもしれないのです。
高齢者の転倒防止にAIを導入
看護の現場ではAIの活用が進んでいます。例えば、入院中の高齢者の転倒防止対策です。病気やケガで体力が低下しているうえに、いつもと異なる環境下で思いがけず転倒することがあります。時には頭を打ってケガをするなど、さらなる治療が必要になることもあるのです。それを防ぐために導入されたのが、入院患者の看護記録などをビッグデータ化し機械学習させ、転倒転落リスクを予測するシステムで、現在実用化が進んでいます。
DXの推進で医療も変わる
世の中ではAIや機械学習を使用し、データを適切に管理することが当たり前になりつつあり、臨床の現場においても今後の活用が進むと考えられています。例えば、医療機器の高性能化により質も量も格段に向上した画像診断をAIがサポートすれば、医療過誤の防止につながります。病気を診断するとき、医師の知見にAIが導き出した予測を効果的に組み合わせることで、患者に最適な治療法を提案することも可能になるでしょう。医療業界においてもDXの可能性に、期待が高まっているのです。
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新潟医療福祉大学 医療経営管理学部 医療情報管理学科 准教授 木下 直彦 先生
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