「楽しい、便利、役に立つ!」をつくり出す、情報デザイン
わかりやすく、便利にする情報デザイン
小学校の授業で使うタブレット端末用アプリでは、どんなデザインが良いのでしょうか。例えば、タブレット端末用に開発された授業用アプリ「食育アプリ」は、望ましい食生活を実践するために、朝ごはんとおやつをテーマに、子どもたちが料理を選び栄養バランスを考えたり、おやつを選びおやつの適量を学んだりすることができます。このアプリのデザインでは、教育現場に導入しやすいように、子どもたちが迷わずに操作でき、楽しく使えることが最優先となります。同じ「情報」を扱っていても、処理速度の高速化といった性能の向上をめざす工学の分野とは異なり、情報デザインでは、機械ではなく人間のほうを向いて「誰が何のためにどのように使うか」といった利用者の体験を考えることが不可欠なのです。
アプリの試作
アプリを開発するといってもいきなりプログラムを書き始めるわけではありません。タブレットの実物の画面と同じ大きさの枠を印刷した紙を用意し、そこに画像やボタンを書き込むことから始めます。文字や写真が小さいと見づらく、大きいと画面に収まりません。また、ボタンもタッチしやすいサイズを考えなければなりません。限られた画面のサイズにどのように情報を表示すると分かりやすいか、複数の画面にどのように情報を分割するか、迷わないで操作できるかなどを考慮して試しながら開発を進めていくのです。
「つくる」だけではなく「広める」ことも大切
アプリはつくったらそれで終わりではありません。アプリを公開し、それを広めて、実際に多くの人に使ってもらうにはどうすればいいのかも考える必要があります。そして利用者から意見をもらい、それを反映させるといった作業を経て、より良いものにしていきます。このようなことの積み重ねで、ほんのわずかかもしれませんが、しかし確実に、社会に貢献していくことができるのです。
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先生情報 / 大学情報
西日本工業大学 デザイン学部 情報デザイン学科 教授 領木 信雄 先生
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