講義No.12644 児童学 教育

算数好きの子どもにしょう! プログラミングや教具でわかる喜びを

算数好きの子どもにしょう! プログラミングや教具でわかる喜びを

目で見て手で触って算数を理解する「教具」

算数の授業で、おはじきやパズルを使った経験があると思います。子どもは最初から文字や記号だけで、数や計算、図形を理解するわけではありません。目で見て、手を動かしながら、その意味について、段階的に理解していきます。特に算数では、このような理解を助ける道具のことを「教具」と言います。例えば、透明プラスチックの板に整列した5×5=25個の突起に、輪ゴムをひっかけて作った図形を見て理解する「ジオボート」など、さまざまな種類があり、授業で活用されています。

言葉とイメージが結びつく教具

中でも、最近注目されている教具の一つに「プログラミング」があります。子どもがコンピュータのキーボードや画面上のボタンから、長さや角度などの言葉や数値を入力すると、画面で「亀さん」が歩いて線を描き、図形が現れるというものです。例えば、長方形の定義や性質である「4つの直角がある、向かい合う辺の長さが同じである」ことを理解するには、長方形の視覚的なイメージと、「辺」「長さ」「直角」などの言葉が結びつかなければなりません。子どもは発達段階に応じて、「長方形」を目で見ることから始まって、言葉とイメージを結びつけて用語を理解し、そのうえで定義や性質を理解する、というプロセスをたどりながら理解をしていきます。プログラミングは、言葉や数字とイメージを結びつけて理解するのに役立つ、これまでにない教具となります。

プログラミングや教具で算数がわかる喜びを

プログラミングをした結果が画面で表示されると、思い通りに描けた喜びを得ることができます。また、そうでない時はプログラミングの手順のどこに誤りがあったかについて、客観的に見て、友達や教師と共有しながら学ぶことができます。算数の授業にプログラミングを導入することで、楽しみながら学べ、わかる喜びを体験し、算数が好きになる子がどんどん増える未来が来ることが期待されます。一方で、従来のアナログ教具を使うよさも見逃さないようにしていくことも大切です。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

埼玉学園大学 人間学部 子ども発達学科 教授 杉野 裕子 先生

埼玉学園大学 人間学部 子ども発達学科 教授 杉野 裕子 先生

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教育学、算数・数学教育学

先生が目指すSDGs

メッセージ

小学校の教師の喜びは、昨日までわからなかった子どもが、今日の授業で「ああ、わかった!」と、笑顔を見せてくれることだと思っています。子どもたちが算数に興味をもち、自ら考えて問題解決をするにはどのようにしたらよいか。そのために、教材や教具を開発したり、どう教えればよりわかりやすいかを考えたりします。また、発達段階の過程にある子どもたちがどういうプロセスで学んでいくかについても理解しておく必要があります。教師は、子どもが、「ああ、わかった!」のように、次の段階にすすむ瞬間を共有するのです。

先生への質問

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