ダイバーシティ日本の多文化共生を考えよう
必要なのは「英語力」だけではないということ
現在の日本において、外国人との共存・対等な関係性を築いた上での支え合いは不可欠であり、より多様性のある社会へと変化する必要があります。国際交流や異文化理解というと真っ先にイメージされるのが「英語力」でしょう。「英語の学びを深めたい」との思いを抱き、大学へ進学する学生も少なくありません。英語はもちろん大事ですが、日本国内においてどれほど英語が必要かを考えてみると、実は日本にいる外国人の多くは英語圏の人たちではないことに気づきます。ビジネスの面においても、企業の取引先もアジア圏が多く、日本社会が近隣アジア諸国をはじめ様々な国とのつながりに支えられていることがわかります。
描こう未来予想図ー自分を、日本を外から見る力
世界の中で日本がどのような国なのかを知るために、留学やスタディツアーなどで海外に出る人もいます。ずっと日本にいるとわからないことや、今まで意識することのなかった日本の良さに気づき、疑問に感じたりする部分が見えてくるはずです。また、海外の人が日本をどのように見ているかもわかるでしょう。自国に対し、客観的な視点を持てるようになり、これから先の将来に向け、日本が抱える問題も明確化してくるでしょう。
外国人にもやさしい社会であるために
技能実習生をはじめ、多くの外国人労働者に支えられ、日本は外国人なしではやっていけない状況になりつつあります。しかし、技能実習制度をはじめ、外国人に対する日本の労働環境や条件は欧米諸国と比べると決して良いとは言えません。受け入れの際の制度などを改めて見直し、働きやすく、働きながら学べる環境を作り、ただ仕事を提供するのではなく、日本社会の一員として迎え入れることが大切です。それにより、互いにより良い関係性を築くことができ、日本に長く滞在してくれる人も増え、一方で母国に帰国した人も日本の良さを伝えてくれるはずです。「良い循環」を生み出すことで、「日本との良い関係」が構築できるのです。
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広島文教大学 人間科学部 グローバルコミュニケーション学科 准教授 岩下 康子 先生
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