国際看護学で学ぶ異文化看護とは?
相手を理解する異文化看護
国際看護学は、グローバル化が進む世の中で重要度が高まっている学問です。
日本に暮らす定住外国人や外国人旅行客は増え、それに伴い国内の医療サービスを利用する外国人も一層増える見込みです。医療の現場でも、ますます国際化が進むでしょう。
国際看護という学びは、こうした定住・訪日外国人へのサポートを学ぶだけではありません。海外にいる、または渡航予定の日本人を国内外で支えたり、発展途上国などで活動したり、また難民の支援も国際看護の領域です。
多文化共生を考える
グローバル化が進む中で看護師に求められるのが、外国の文化や習慣、宗教など異文化への理解を深める「多文化共生」という考え方です。
看護の現場では、「お祈りの場所を提供してほしい」「(患者様の親族や友人が大勢見舞いに来て)入院患者と宿泊したい」などの要望を受け、異文化を体験した事例が多数あります。看護師は、たとえ国内の近所のクリニックに勤めていても「国際看護」という視点を持たざるを得ない時代なのです。
また文化だけでなく、日本で医療を受ける外国人は、言葉や保健医療システムの壁といった問題を抱えがちです。十分な医療サービスを行うため、看護師にはこうした相手の壁を理解して対応する「異文化看護」の姿勢が必要です。
支援の起点となる現地活動
母子看護における海外支援活動について例を挙げると、アフリカの場合、出産前後の母子から5歳未満の子ども支援が重要です。開発途上国は医療資源の不足、人材不足など様々な問題を抱えており、新生児・乳児・5歳未満の死亡率などは減少傾向にあるものの、先進国との格差が縮まらない状況です。持続可能な開発(SDGs)にも母子支援の目標がありますが、今後は母子への科学的根拠に基づいたアプローチとして、予防接種や適切な治療、日常の衛生活動、家庭と村のヘルスポストさらに病院への継続看護など保健システムの充実が必要とされています。
受容性が今後、どのように現地を支援していくべきかを考える出発点になるでしょう。
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