不特定多数の人に届く映像作品を作るには?
身の周りに動画があふれる時代
誰もがスマホで手軽に動画を撮れる時代になり、SNSやYouTubeにはたくさんの動画が掲載されています。しかし、SNSで共有される動画のほとんどが、撮影者の友人・知人や関係者に向けて作られたものです。YouTube上の動画の多くも送り手のファンの人に向けて作られています。そういった映像は、送り手と受け手の間でたくさんの知識や情報、価値観などが共有されていることを前提としています。そのため、それ以外の人が見てもよくわからなかったり、楽しめなかったりしてしまいます。
幅広い人に届ける作品づくりに必要なこと
不特定多数の人に何かを感じてもらったり、知らないことを知ってもらったりするための映像作品を制作するには、企画を立て、企画書に落とし込み、撮影を行って、編集して仕上げるという工程を踏みます。すべての段階で、どうしたら視聴者に理解してもらえるか、心を動かせるかを考えることが欠かせません。それは、自分が何に関心を持ち、誰に何を伝えたいのかを問い続けるプロセスでもあります。
多くの場合、作品づくりのために面識のない人に話を聞く必要が生じます。誰に取材するかを決めて、交渉して承諾を得て、実際に取材・撮影を行います。映像制作の目的が明確でなかったり、伝え方が適切でなかったりすると、取材を断られてしまうことや取材がうまくいかないことがあります。つまり、映像制作技術だけではなく、マナーやコミュニケーション能力、予想外のことがあったときの臨機応変な対応力などが必要とされるのです。
映像に対するリテラシーを上げる
映像を見るだけの立場から作る側に回ったときに、初めて見えてくるものがたくさんあります。不特定多数の人にどのように受け止められるかを考えるためには、さまざまな事情を抱え、多様な考えを持つ人たちの存在を意識しなければなりません。このような視野は、映像の送り手としてだけでなく、受け手としてのリテラシーを上げることにもつながります。
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