人を超える? ディープラーニングで賢いロボットを作る

人を超える? ディープラーニングで賢いロボットを作る

自律行動するロボット

自分で判断して行動する、知能を持つロボットの研究が進められています。知能ロボットに搭載される人工知能のひとつがニューラルネットワークです。ニューラルネットワークは、機械学習の一手法であり、生物の脳の神経回路の数学モデルです。ニューロンに信号が伝わって情報処理を行う脳の仕組みを数式にし、コンピュータで処理することで人間と同じように情報を処理できます。

ディープラーニングで人を超える

ニューラルネットワークを発展させたものがディープラーニングで、より早く正確な判断が可能です。
人の後を追って動く追従ロボットを例にとると、まず人の手で、ロボットが誘導者を追従するようにプログラミングします。ロボットに実際に追従行動をさせながら、センサで取得した誘導者の位置や自身の走行速度のデータを収集していきます。このデータを使ってディープラーニングで学習させると、人がプログラムした見本となる動きよりも優れた動きができるようになります。これはたくさんのデータの中から余計な動きを除外して、特徴的な動きを抽出するためです。その結果、よりスムーズな動きになるのです。

優れたロボットの目を作る

機械学習は画像処理にも応用されています。何らかの目標物を検出する際には、状況に応じて検出器の設定を切り替える必要があります。その切替を機械学習で学習させると、人の目が暗いところでは瞳孔が開き、遠くを見るときは水晶体が薄くなるように、自動で設定を切り替えて目標物をとらえられるようになります。また超解像という技術は、ディープラーニングを使って低画質のものから高画質の画像を生成します。これらの技術は、災害現場でのドローンを使った人物検知や、防犯カメラの解析などに利用できると期待されます。
将来、相手の行動の本質を理解して行動できる「相互理解」や、自分自身で問題を発見・解決できる「自己学習」のできるロボットが、人間の思いつかないような解法を教えてくれるかもしれません。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

関東学院大学 理工学部 情報ネット・メディアコース 教授 元木 誠 先生

関東学院大学 理工学部 情報ネット・メディアコース 教授 元木 誠 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

知能ロボット学、知能情報学

メッセージ

周囲の情報をもとに自分で考え行動するロボットを「知能ロボット」といいます。知能ロボットに搭載されている人工知能は、今ではさまざまなところに応用されています。例えば、掃除が終わったら自動的に充電器に戻るお掃除ロボット、人のいる場所を認識して、より快適に過ごしやすいように温度や風向きを自動調整するエアコン、衝突しそうになったときに緊急停車する車などです。暮らしを便利に、豊かにする人工知能や知能ロボットの研究を、あなたも一緒にしませんか。

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1884年(明治17年)、関東学院は横浜山手に神学校として創立されました。長い歴史と伝統をもつ関東学院はキリスト教の優れた思想、芸術、奉仕の精神を礎に、校訓「人になれ 奉仕せよ」のもと広く世の中に貢献できる学問・知識を身につけた有能な人材の育成を目指してきました。現在では、文理にわたる学部を擁する総合大学へと発展。伝統に裏打ちされたキャンパスライフサポート、学修サポート、キャリアサポートの3つのサポート体制で学生一人一人に合わせた支援をこれからも行っていきます。