難民への正しい理解を深めよう

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難民はなぜ生まれる?

世界各地で起きる異常気象や戦争の結果、難民が発生しています。アフリカ諸国では気候変動による難民が多く、アフガニスタンやイラク、シリアでは人種や宗教、政治的意見の違いが原因となっています。2021年、世界の難民は約8,930万人で、10年前の2倍に増えました。
ロシアのウクライナ侵攻では、日本は初期に100人単位でウクライナ人を受け入れました。これは日本としては画期的な措置ですが、彼らのほとんどは難民としてではなく、一定期間の在留資格がある移民となっています。

日本における難民の生活環境

日本の移民率は、2070年に人口の10%を超えると予想されますが、現状の難民認定率は世界から「低い」と言われている状況です。「政策なき受け入れ」が問題視されており、日本に入国後、難民として認定されるまで住居が保証されず、仕事にも就けません。多くの難民は自立した生活を望んでいます。彼らは単なる「労働力」ではなく、「将来の日本社会を支える担い手の一人となる人々」なのです。ゆえに政府主導だけでなく、地域の人々が自分ごととして考えて話題にし、必要性を訴えていくことが大切です。

世界各国の取り組みは

難民を保護するための条約として「難民条約」があり、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)が締結や加入を促して各国を監督しています。難民は国際社会に影響を与えますし、受け入れ国の負担は大きくなります。難民を近隣国だけが受け入れるのは限界があり、遠くに移住するケースも増えています。
各国の難民問題に対する態度ですが、ポーランドはウクライナからの難民を受け入れたのみならず、難民の医師に、難民への手術を含む治療許可を与えました。カナダでは「カナダに定住する難民の子ども達は将来、カナダを支える人材になる」という世論があり、人道主義と国益のバランスを取っています。また、台湾では中国とは違う独自の難民法を作るといった動きがあります。

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大正大学 地域創生学部 公共政策学科 教授 鵜川 晃 先生

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文化人類学

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メッセージ

「難民問題」は遠くで起こっていて、自分には関係のない出来事でしょうか。難民がどんな生活をせざるを得ないのか考えたことがあるでしょうか。あなたには、社会のさまざまな出来事に関心を示して、難民問題についても想像を巡らせてほしいです。本学では、世界で起きている難民問題の現実を学ぶことができます。議論も大事ですが、実際に起こっていることを聞いて自分の中に落とし込んでいく学びも大事です。彼らの状況を直接聞ければ、難民が自立を求めていることもわかってきます。それが多文化共生社会の構築にも繋がっていきます。

先生への質問

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大正大学に関心を持ったあなたは

大正大学は大正15(1926)年に設立された、2026年に100周年を迎える伝統のある大学です。6学部10学科の学問分野で文学や心理、歴史、メディアなど、多彩な学びを展開し、地域社会に貢献できる人材を目指します。キャンパスは東京都豊島区にあり、池袋・巣鴨からもアクセスしやすい立地です。全学部が4年間を同じキャンパスで過ごします。また、1学年約1200名の学生に対し、教員は154名。教員1人あたりの1学年の学生数が7.8名と、教員との距離が非常に近いことも特徴です。