ヨーロッパと日本は似たもの同士!?
ヨーロッパに教会がたくさんあるのはなぜ?
お祈りをする人々、神父の前で結婚を誓う2人、心地よいパイプオルガンの音色や賛美歌、美しいステンドグラス――あなたが「教会」と聞いてすぐに浮かぶのは、このようなイメージでしょうか。多くの日本人にとって、教会はキリスト教の象徴だというのが主な認識かもしれませんが、ヨーロッパの人にとっては、もっと身近な存在なのです。
ヨーロッパを訪れたことがある人ならわかるかもしれませんが、どんなに小さな町や村にも必ずといってよいほど教会があります。しかもほとんどが町の中心にその姿をかまえているということをご存じでしたか?
教会は、他人同士の絆を深める場所だった
なぜ地域の一等地に教会が建っているのか。そもそもヨーロッパができたのは8~9世紀頃といわれていて、古くから定住社会が続いています。血縁ではない他人同士が、ずっと隣り合わせで暮らさなければいけないのですから、お互いの協力が必要になってきます。そこで、知らない者同士がコミュニケーションをとる場所として機能したのが、ズバリ教会だったというわけです。教会は、住民がアクセスしやすい町の中心に建ち、冠婚葬祭や学校運営など、まさに人の一生を支援するようなさまざまな役割を果しました。
ヨーロッパは今も各地で「地縁」というお隣同士の絆が強い社会ですが、背景には教会を中心としたコミュニケーションが大きく関係しているのです。
実は日本も「地縁社会」
日本でもいまだに地方では地域のつながりが強いといわれていますが、農業を柱に定住生活を営んできたため、自然と隣人同士のコミュニケーションが密になったという過程があります。つまり、ヨーロッパと日本は、歴史や文化が全く異なるようにみえて、実は「定住生活から発展した地縁社会」という共通点があると言えるのです。このように、興味のある外国について調べると、日本との意外な共通点が浮かんでくるかもしれません。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。