注目されるダンスの指導法
中学校2年生まではダンスが必修に
平成20年に、新しい学習指導要領が発表されました。数々のポイントがありますが、保健体育では2年生までは、すべての種目が必修となりました。そのうえで、3年生になると選択制で自分の好きな種目を選ぶというシステムに変わったのです。これで、ダンスが武道とともに中学2年生までは必修となりました。
ダンスはどうやって指導する?
そこで、男子も女子も誰もがダンスを楽しく学ぶことができるように、ダンスの指導法を全国レベルで見直す必要が出てきました。例えば創作ダンスの授業で、以前は「海を表現してみましょう」とか「動物になってみましょう」とだけ言い、あとは生徒に任せるという方法がしばしば見られました。これでは、生徒は恥ずかしくて動けず、どう踊っていいかもわかりません。
しかし、本当のダンスの指導法は違います。具体的な例を挙げましょう。まず、相手が中学生なら中学生が興味を持ちやすい、動きやすい題材でなければいけません。その一つに「対決」というテーマがあります。自由に踊っている中で、「対決」の例の一つとしてボクシングの動きをしてみます。その動きをおおげさにしてみたり、スローモーションでやってみたりして、勝ったとき、負けたときの表現を引き出します。これなら「こうやろう」「ああやろう」というアイデアがどんどん浮かんできて、日常の動きがあっという間にダンスになります。
「ダンスなんて苦手だ」「どうやるの?」と不安に思っていた中学生も、やってみると「これがダンスなのか」と安心し、楽しく活動できます。
自由な動きや表現を引きだす
ダンスの指導では、踊る人一人ひとりから自由な動きや表現を引きだす指導法が重要です。それはまさにダンスの本質であり、最先端のダンスにも通じる方法論で、プロの舞踊家も関心を持っています。
今までダンスの指導をしたことがない体育の先生も、研修でこのような指導法を自ら体験しながら習得していきます。教育学・体育学の現場ではこのように常によりよい指導法を探っているのです。
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