買い物から考える「ブランド」の役割

商品を選ぶ基準
買い物をする時、似たような商品の中からどれを選ぶかを、どんな基準で決めるでしょうか。価格や使いやすさを重視することもあれば、ブランドで選ぶこともあるでしょう。
ブランドとは、商品やサービスを見分けるための名前やマーク、デザインなどのことです。企業名や店名のほか、「今治タオル」や「夕張メロン」といった地域名を冠したものも、品質やイメージを表すブランドです。加えて、特定保健用食品のマークのように、信頼性の目安となる表示も、広い意味でブランドと言えます。つまり、ブランドは単なる名前ではなく、買い物の意思決定に大きな影響を与える重要な手がかりなのです。
ブランドの3つの役割
ブランドには、大きく分けて3つの役割があります。1つ目は「識別機能」です。たくさんの商品が並ぶ中で、目当てのものを見つけやすくしたり、リピーターになってもらったりするための役割です。2つ目は「意味付与機能」で、実際にそのブランドの商品を使って「良かった」と感じる経験が積み重なることで、ブランドそのものに信頼や価値を感じるようになります。そして3つ目は「行動変化機能」です。中身が似た商品でも、どのブランドから出ているかによって、買いたい気持ちが変わることがあります。ブランドには、人の行動を変える力があるのです。
ブランドを読み解くと
こうした力を持つブランドについて、それがどのように受け取られ、どんな人がその商品を購入するのかを分析することで、「誰に、どんな商品を、どう届けるか」がより明確になります。
例えば、「小京都」と呼ばれる地域ブランドは全国にいくつかありますが、そのイメージは場所ごとに異なります。同じ小京都でも、観光客に響くポイントが異なるのであれば、プロモーション方法も地域に合わせて工夫する必要があるのです。そして、ブランドの伝え方と消費者の受け止めが合致すれば、消費者はより納得のいく選択ができるようになるはずです。
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