家具デザイナーに求められること

家具デザイナーに求められること

さまざまな場面で登場する家具

椅子やテーブルをはじめとする家具は、日常生活のさまざまな場面で使われています。1日の生活を振り返ってみると、いろいろなシーンで家具に出会っていることに気づきます。朝食の時にはダイニングチェアやテーブルを使うことが多いでしょうし、通学途中では、駅のベンチに座り電車を待つこともあるかと思います。学校では、教室に置かれた机と椅子で勉強をします。また、図書館に行けば書籍を収める本棚があり、本が整然と並んでいることでしょう。帰宅をしたら、また食卓で食事をし、ソファでくつろぎます。そして、1日の終わりにはベッドで就寝し疲れを癒やします。このように、私たちは1日のほとんどの場面で家具と出会い、それらを使用することで快適な生活を送ることができます。現代生活において、家具は生活に欠かせない道具と言えます。

家具デザイナーになるには

家具を製品としてデザインしている人たちを家具デザイナーと呼んでいます。デザインというと、素敵なカタチを考えることだと思うかもしれません。デザインする上で、見た目の美しさは大事なポイントです。しかし、カタチを考えるだけでは家具デザイナーにはなれません。家具デザイナーになるには、アイデアの発想力、材料の知識、設計の技術、製造方法のノウハウなど専門的な知識やスキルが必要とされるからです。

デザインするということ

見た目のカッコよさだけを追求していたら良質の家具は作れません。デザインする過程では、いろいろなことを考えます。どのような場面で使う家具なのか、誰が使うのかといったことを設定します。椅子一つとっても、食事をする時とくつろぐ時とでは使用目的が異なるため、座面の高さや背もたれの傾斜が変わっていきます。また、大人と子どもでは体格差があるので、使う人に適したデザインが必要です。そして、デザインのアイデアを考えながら、材料の選択や製造方法の検討を同時進行で行っていきます。「どうやって作るのか」ということを理解して、はじめてアイデアが具体化できるのです。

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先生情報 / 大学情報

富山大学 芸術文化学部 芸術文化学科 デザイン工芸コース 講師 内藤 裕孝 先生

富山大学 芸術文化学部 芸術文化学科 デザイン工芸コース 講師 内藤 裕孝 先生

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デザイン学

メッセージ

日常生活で使っている家具や食器といった製品はデザイナーによって創り出されています。デザインというクリエイティブな仕事は幅広い知識や専門的な能力が求められますが、なにより大切なのは「思いやり」の気持ちが持てるかどうかだと思います。絵を描くのが上手く、手先が器用なだけでは良いデザイナーにはなれません。声にならない思いを感じ取り、人の気持ちを理解することで、相手が何を求めているかを想像できるのです。思いやりの気持ちからデザインはスタートします。

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