街を楽しむストリートライフ

街を楽しむストリートライフ

街を楽しむ視点でのまちづくり

都市計画において重要な視点のひとつは、楽しいまちづくりです。社会が成熟すると、人々は街を歩いたり、自転車に乗ったり、あるいはカフェでくつろいだりと、楽しむことを都市に求めるようになります。いわゆる「ストリートライフ」を楽しむ都市のライフスタイルです。ヨーロッパを中心に発展してきたストリートライフですが、日本でも最近はにわかに注目を集めつつあります。また日本の都市には、夜でも、どこでも安心して歩ける治安の良さという強みがあります。これからは、もっと「楽しむ」という視点でのまちづくりが求められているのです。

人々が集まる街の個性をつくる

ストリートライフを楽しむ要素としては、治安の良さのほかにも景観の美しさや、人を集める街の個性などがあります。街の性格が特化して個性が出てくると、街は魅力的になります。例えばかつては学生街、飲み屋街など、どこの都市にでも個性ある街がありました。しかし最近では、郊外の大型ショッピングセンターに客を奪われて、中心市街地が衰退する現象が日本各地で起こっているのです。そこで中心市街地の活性化が求められており、住民や行政のまちづくりの手腕が問われています。そして中心市街地がすいた分、自由な発想も導入しやすくなってきていると言えます。

文化や街のブランド価値も景観に大きく影響する

魅力的なまちづくりの大きな要素に景観があります。美しい街並みやセンスのいい建物などが、街を歩く人々を楽しませてくれます。これまでは、日本の建物は法律に違反していなければいいという視点で建てられていました。しかし今では、全体の景観や周囲に対する配慮も大きな要素となってきています。つまり、文化という概念を法律の上にいかに融合させていくかが課題と言えます。また街のブランド価値も景観に大きく影響します。表参道や青山通りなど名の知れた街では、センスの悪いものが建つことはありません。人々には、そこにふさわしい建物がちゃんとわかっているからです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。

先生情報 / 大学情報

福山市立大学 都市経営学部 都市経営学科 教授 岡辺 重雄 先生

福山市立大学 都市経営学部 都市経営学科 教授 岡辺 重雄 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

都市デザイン学、都市経営学、都市社会学

先生が目指すSDGs

メッセージ

都市経営学部は、計画・デザイン(工学系)、経済・経営(経済学系)、共生・開発(社会学系)という3つの領域からなる、複合的な学びを特徴とする全国でも初めての学部です。
あなたに伝えたいのは、建築・デザイン、経済・経営とか初めから決めてしまって興味の幅を狭めるのではなく、幅広く興味を持って、そしていろいろなことに取り組んでほしいということです。実社会の問題を解決するには領域を変えたさまざまな知恵が必要であり、自分の発想を形にしたい、実践したい、試してみたい、勉強したいという意欲が大切なのです。

福山市立大学に関心を持ったあなたは

福山市立大学は、福山市が設置する公立大学、4学期制による効果的な履修、4年間を通じた少人数参加型授業や、街と一体となったキャンパスを拠点に、福山市全体をフィールドとした体験型授業の充実が特色です。公立大学の特色を生かし、教育学部では地域の教育・保育施設との連携により実践力のある教育者・保育者を目指します。都市経営学部は全国初の学際的な学部で、環境を基盤として工学系、経済学系、社会学系の3つの領域を総合的に学び、持続的な都市社会の発展を担える人材を育成します。