保健師は、地域の人々の健康を支える有意義な仕事
保健師の学びの基礎となる公衆衛生看護学
公衆衛生看護学とは、乳幼児から高齢者にいたるすべての人々を対象に、健康の増進や病気の予防、生活の質の向上をめざすことを目的とした学問です。一般に「看護職」と言われる看護師、准看護師、助産師、保健師のうち、保健師を養成するための教育課程に関連した分野でもあります。
看護師として働く人は全国で約95万人にのぼりますが、保健師は約5万人です。日常生活の中で、人々が保健師と接する機会というのは、看護師と比べると少ないかもしれません。保健師は、主に都道府県や政令指定都市の保健所、市区町村の保健センター、企業や病院、学校などで働いています。
健康な人を、より健康に
都道府県や市区町村で働く保健師は、健康な人が将来的にも健康を維持できるよう、地域の人々に関わりながら保健指導を行っています。人は体調が悪く、痛みや発熱などの症状があれば、自ら病院に出向き治療を受けることが多いです。しかし、今は目立った症状はなくても、現在の食生活を何年か続けることで生活習慣病を発症する場合もあります。このような潜在的な病気の発症を予防するために、健康づくりの支援をすることが保健師の役割の一つです。そのためには、実際に地域に出向いて住民から話を聞くことや、地域の社会資源の現状を把握することがとても重要です。また病気の予防に限らず、地域の健康づくりのための事業を展開するなど、活動の幅は広いです。
感染症発生時や災害時の人々の健康管理も
感染症が集団発生したときや、災害時に健康管理が必要なときも、地域の保健師は積極的に取り組んでいます。2011年の東日本大震災では、各地の都道府県や市区町村の保健師が被災地に派遣され、活動が続けられています。このように社会の要請に応じて活動することも、保健師の仕事の特徴です。地域に暮らす人々に寄り添い、人々の健康を支えるという非常に有意義な仕事です。
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