「ふわふわ」と「もふもふ」の違いって知ってる?
日本人はオノマトペが好き
日本語は「さらさら」「ふわふわ」といったオノマトペ(擬声語・擬態語)が豊富で、『崖の上のポニョ』『純情きらり』など、作品や商品名、広告にもよく使用されています。特に少年マンガはオノマトペの宝庫で、物語中にはさまざまな個性的な言葉が登場します。また、日常生活では、無意識のうちに使われていることが多いようです。しかしオノマトペは実は感情と強く結びついた言葉であり、男性よりも女性の方が好んで使う傾向が見られます。
言葉のイメージを数値化するには
オノマトペは音と意味合いが直結しているのも特徴です。例えば「キーン」と「カーン」を比較すると、母音の「イ」を使う「キーン」は一直線に伸びた印象で、母音の「ア」を使う「カーン」は広がっていく印象を持ちます。ほかにも「ゆったり」など、最後に「り」を付けると動作の完了が表され、「っ」が入るとスピード感を表すなど、構成を分解すると法則性を持っていることがわかります。こうした法則性を当てはめ、構成要素の影響度なども考慮して数値化していくと、言葉への印象を評価尺度で示す、「イメージ判定システム」ができます。例えば「ふわふわ」と「もふもふ」といった、似たような言葉も、「両方とも「やわらかさ」「丸み」で高い数値を示すが、「ふわふわ」の方が少し「丸み」を示す数値が低い」というように、違いが具体的にわかるようになるのです。
イメージ判定システムの応用法
新商品や作品にとって、いかに新しい響きを持った音で、内容の特徴をとらえたネーミングにできるかは、大事なポイントです。この判定システムはそうしたクリエーターへの創作支援ができますし、また「ほわほわした素材がほしい」といった顧客の感覚的要望に対し、具体的な素材提案ができるようにもなります。ほかには海外旅行先で病気になった場合、「ズキズキ」「ガンガン」といった痛みを表す日本語特有のオノマトペを医師に伝えることもできるなど、実社会においてさまざまな応用法が考えられます。
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電気通信大学 情報理工学域 I類(情報系) メディア情報学プログラム 教授 坂本 真樹 先生
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