どうしたら、英語でうまくコミュニケーションできるのだろう?

どうしたら、英語でうまくコミュニケーションできるのだろう?

英語は「発信者責任型言語」

コミュニケーションという言葉は、本来、発信と受信の両方を必要とするものです。ところが英英辞典を引くと、「発信」という意味しか書いてありません。それは英語が「発信者責任型言語」だからです。
それに対して、日本語は「受信者責任型言語」です。言葉を受け取る人が、その言葉の本当の意味を解読、行間に隠れているニュアンスをくみ取り、理解します。例えば、日本人同士では「(昨日、学校へ)行った?」「(うん)行った」という、主語や目的語がない会話が成立します。ところが、英語は主語が必要な言語なので、「誰が」「どこへ」ということをはっきり言わなくては、会話は成立しません。

理解し合うために非言語コミュニケーションも重要

人は言葉だけではなく、姿勢、歩き方、ジェスチャーなどの「非言語」を通じても、意志や思いを伝えています。実は、コミュニケーションの90%は「非言語」なのです。そのため、スムーズにコミュニケーションをとるためには、それぞれの人の価値観、習慣、常識の違いを認識することも大切になります。
例えば、日本人の場合、人と会う時間を午後2時に約束をすると、ほぼその時間に会えるでしょう。ところが、アラブ諸国は、午後2時と言えば、午後1~4時の時間帯なのです。時間のとらえ方が、かなり違うことがわかるでしょう。どちらが良いか悪いかということではなく、両者の「違い」を受け入れることが重要なのです。非言語のいろいろな要素を知ることは、学ぶ上でも、教える上でも必要です。

英語教育で大切なこと

日本では、小学生から英語を教えるなど、英語教育に力を入れています。英語が「発信者責任型言語」であることを意識するあまり、受信者としての教育を忘れては本末転倒です。日本人は、行間を読むこと、相手の言いたいことを察することが得意です。相手の心を読み取る技術は世界一と言えるでしょう。発信と受信のバランスを取ることが、スムーズなコミュニケーションにつながるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

京都外国語大学 国際貢献学部 グローバル観光学科 教授 ジェフ バーグランド 先生

京都外国語大学 国際貢献学部 グローバル観光学科 教授 ジェフ バーグランド 先生

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異文化コミュニケーション学

メッセージ

私はアメリカで生まれ育ちましたが、20歳の時に来日し、ほぼ半世紀、日本で暮らしています。いまは京都にある江戸後期の町家に住み、京都市の国際観光大使も務めています。私が教えているのは異文化コミュニケーションです。この学問は、日本人と外国人とのコミュニケ―ションのことだと思われがちですが、それだけではありません。もっと幅広く考えると、高齢の人と若い人、女性と男性、関東人と関西人など、違う立場の人との壁を乗り越えることに通じます。あなたも一緒に、コミュニケーションと英語教育について楽しく学びましょう。

先生への質問

  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

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