小学校でドッジボールをする理由、考えたことありますか?
小学校でドッジボールをするのはなぜだろう?
あなたはたぶん小学校で、ドッジボールやフルーツバスケットなど、楽しい時間を経験したことがあるでしょう。実は、特別活動の時間に行うドッジボールやフルーツバスケットは単なる遊びではありません。教師は、子どもたちの性格や適性を観察しています。「運動が得意な子どもには、運動で活躍する場を与えよう」「この子とこの子を同じ班にしよう」など、指導や集団づくりの参考にします。子どもたちは「顔にボールを当てると反則」などのルールを学び、クラスの仲間と人間関係を築いていきます。
キャリア教育の要としての特別活動
学校には、教科以外にも学ぶプログラムが準備されています。それらが学級活動や生徒会活動、学校行事などの特別活動です。学校の外に出て視野を広げ、クラス内の問題を皆で話し合い、授業では学べない多くのことを体験する機会になっています。また、学習指導要領では、特別活動は「キャリア教育の要」として位置づけられています。つまり将来、子どもたちが社会に出ていく時に役立つ資質・能力を身につけることが特別活動の目的でもあります。家族や友達以外の人と話をしてコミュニケーション能力を育み、組織や集団で過ごすとはどういうことかを学び、自分が何に向いているか、どういう分野に興味があるのかを知るチャンスになっています。
地域との連携で、子どもの「居場所」をつくる
そして、特別活動の大切なメリットが、行事や活動を通じて地域と連携できることです。学校は閉鎖的な場所なので、何か問題がおこった時に校内で抱えてしまいがちです。しかし、地域と連携することで解決する可能性が広がります。学校や自宅以外に、近所の家や児童館、ゲームができるWi-Fiスポットなどが地域に整っていれば、子どもたちが安心して過ごせる「居場所」になります。中には学習塾や近所のフリースペースに行くと、学校の出席扱いになる自治体もあります。学校と地域が連携した特別活動は、子どもたちを支える柔軟なプログラムになり得るのです。
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先生情報 / 大学情報
関西福祉科学大学 教育学部 教育学科 子ども発達教育専攻 講師 藤原 靖浩 先生
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