仮想消費も進む世界で、これからのマーケティングを考える

仮想消費も進む世界で、これからのマーケティングを考える

自分にぴったり合う商品をアドバイス

製品やサービスを選ぶとき、情報収集に手間がかかったり、高く買ってしまったことはありませんか? こうした悩みを解決し、消費者の合理的な経済活動をサポートするビジネスモデルが、研究段階の「マーケティング・コンシェルジュ・システム」です。例えばパソコンの購入の場合は、購入履歴や使う場面を考慮して、周辺機器も含めて提案したり、旅行なら航空やホテル、旅行保険、現地のレストランなど、ユーザーのライフスタイルや経済状況に合った情報提供をするなど、カテゴリーを超えた関連商品を網羅してくれます。それが既存の比較サイトとは異なります。システムが実用化されれば、情報を集める労力や時間が減るのはもちろん、合理的な価格での購入ができるなど、買い物が格段にラクになるでしょう。

顧客の満足度を高める

このビジネスモデルのように、顧客の満足度を高める手法を探るのがマーケティングです。アプローチの方法はさまざまで、消費者の動向やニーズを調査したり、リピーターや新規ユーザーを獲得する仕組みを考えたり、製品やサービスの企画やブランドの戦略を練ったりなど、その範囲は広いです。したがって、研究の範囲も消費者・企業・社会など視点を変えて研究することが可能です。

「バーチャルなモノ」の消費

昨今の消費者の動向を見ると、インターネット上の仮想空間メタバースの活用が広まるにつれ、消費活動も変わってきています。現実社会にある有形のモノに限らず、メタバース上の「バーチャルなモノ」を消費する「仮想消費」が進んでいるのです。例えば、アバターの洋服やアイテム、SNSアプリのLINEスタンプなどが挙げられます。LINEスタンプの世界での累積販売総額は、2021年4月時点で1060億円になっています。アメリカでは、MZ世代を中心に仮想消費への急速な移行が見られ、今後大きなビジネスチャンスになると考えられます。一方、利用に伴うトラブルなど予想される課題にどう対処するか、法的なことを含めて検討する必要があります。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

東北文化学園大学 経営法学部 経営法学科 准教授 鄭 舜玉 先生

東北文化学園大学 経営法学部 経営法学科 准教授 鄭 舜玉 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

マーケティング論、経営学

先生が目指すSDGs

メッセージ

顧客が求める商品を提供し、顧客満足を目指すマーケティング活動において、他社との「差別化」は重要な課題です。そのため「このように変えたら便利では?」など、既存の考えにとらわれず、常に改善点を探る「クリティカルシンキング」が必要です。また、周りを恐れず自分の意見を言う姿勢も大切です。この学びは、将来どのような道に進んでも役立ちます。ビジネスには必ず顧客が存在するため、顧客の立場で物事を考えるマーケティングの思考は、さまざまな分野で応用できます。マーケティングに興味があれば、ぜひ一緒に学びましょう!

東北文化学園大学に関心を持ったあなたは

東北文化学園大学は、仙台・国見の丘にキャンパスを持ち、医療・福祉・社会・経済・工学・情報の幅広い学びができる総合大学です。「実学教育」を教育理念に掲げ、専門職業人を育成する大学です。2021年4月から新しい学部を設置し、学際的な教育環境がさらに充実しました。また、「キャリアサポートセンター」の就職支援と相成って、例年高い就職率を誇り、卒業生は各業界で高い評価をいただいています。