広い世界の人とのコミュニケーション! カギは英語の「多様性」
アメリカ英語がすべてではない
「英語」を使ったコミュニケーションというと、アメリカやイギリスなど、英語が母語である人たちと主におこなっていると思われがちです。しかし、世界で英語を使っているのは、英語を母語としていない人たちが8割以上だといわれています。日本においても、いざ仕事で英語を使うとなると、中国や韓国、インドネシアなどアジア圏を相手に使うシーンが多くなります。しかし、中学校や高校では「アメリカ英語」や「イギリス英語」が中心だと考えられているケースがほとんどです。そういった環境で英語を学ぶため、大学で英語を研究しようと志す学生でも、ネイティブスピーカーの発音や話し方を習得することが大切だと考えて入学する人が多くいます。
母語に影響を受けるのは当たり前
「アメリカ英語」や「イギリス英語」が基準だという価値観で英語を学んできた人は、いざ英語で話す際、「自分の発音は違う」「言い回しや文法がおかしい」という考えに捉われ、発言ができなくなってしまうことが多いです。しかし、日本で生まれ育ち、日本語が母語である人の場合、話す英語が日本語に影響を受けるのは当然のことです。世界にはネイティブスピーカーが使う英語だけではなく、中国人やフランス人、ブラジル人などさまざまな国の人々が使う英語があるということを意識して、自分の言葉で英語を話すことが大切です。
「英語の多様性」に気づく
海外に留学した学生の中には、ネイティブスピーカーと会話することだけを目的とし、アジア圏などの留学生と会話するのを時間の無駄だと考える人もいます。その考えを持ち続けていると、いつまでたっても狭い意識から抜け出すことができず、英語を自分の言葉として習得できないままでしょう。もちろん、欧米圏だけでなくさまざまな国の人が英語を使い、発音や話し方などもそれぞれ異なるという「英語の多様性」に気づく学生もいます。広い視野を持って英語を使うことで、たくさんの人々とコミュニケーションを取ることにつながるのです。
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玉川大学 文学部 英語教育学科 教授 鈴木 彩子 先生
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